第7話

初めて電話で話した日以来、

ノゾムからは毎日のように電話やメールが来る。




当時はまだ

“携帯電話”を持ってる人が少なく

ほとんどの人が

“PHS”を使っていた。



“PHS”には

PメールとPメールDXという機能がある



Pメールとはカタカナを15字前後送ることが出来る機能で、

PメールDXとは今の携帯電話のように長いメールを送ることが出来る機能だ。



重要な内容ではない限りPメールDXは使わない。


ほとんどはPメールを使用していた。




ノゾムからのメールは

いつも同じ内容。



《ゲンキ?》


《イマナニシテル?》



決まってこの二通。



次第に返事をするのが面倒になり、

返事をしなくなってしまったうえに

電話にも出なくなった。



ノゾムは隣のクラス。

廊下でばったり会う事もあるけど…

とにかく避け続けた。



ノゾムはの事が

嫌いなわけじゃない。




ただ面倒くさがりの美嘉にとって

ノゾムの連絡が重かったりもする。




そしてノゾムを狙っていたアヤが美嘉の事を、



“親友の男を平気でとる女“



だと陰口を言っているという噂を

聞いてしまったから。




そんな日が続き、

ようやく高校最初の夏休みが来た。

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