第6話

電話を切ってしまおうとボタンに指を近づけた時

ノゾムは再び話し始めた。



『突然電話したら驚くよな~ごめん。アヤちゃんから番号教えてもらった。友達なって!』



なるほど。

アヤが勝手に教えたんだ。…って納得してる場合じゃなくて!!



明日アヤへの軽い復讐を決意しながら

冷静を装って答えた。




『…で何か用??』



『だーかーらー俺と友達になってよ!ねっ。お願~い』



軽い…軽すぎる。

軽い男は苦手。



『…いいよーじゃあね』



仕方なく友達になることを承諾して

電話を切った



そうしないと電話を切ってくれないような気がしたから。



ノゾムの番号を登録…

一応しておくか。






ジリリルリ


不快な目覚ましの音で目が覚め、

今日もまたいつも通り学校へ向かう。




玄関で上靴に履き変えていた時

アヤの姿を見つけた。



興奮気味に

アヤのもとへ駆け寄る。



「アヤのバカぁ!!勝手に番号教えちゃダメでしょっ。昨日ノゾムから電話来たんだから!!」



「ごめ~ん♪だってノゾムが美嘉の番号教えろってうるさいんだもん。なんかおごるから許して♪」



何事もなかったようなアヤの横顔を見つめながら

深くため息をついた。

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