最後の日 始まりの日
次の日
「病院から電話かかって来た時は生きた心地がしなかったわ」
お見舞いに来た海斗の母親がそう言う
「ごめん、、、親父は?」
「お店であなたの回復祝いに30%割引でお寿司握りまくってるわよ。あ!そうだ、これ初物の秋鰹のお寿司。お父さんがあなたにって」
母親が机に置いた寿司樽の中には鰹に大トロ、鰻、ウニなどご馳走という言葉ですら生温い豪華な寿司があった
「うぉ!!すっげ!」
その光景に海斗は目を輝かせた
(どれも特にいい部分じゃねぇか!!)
寿司屋の息子ということでネタの目利きは大人顔負けだからこそ父親の愛情を深く理解し
「見舞いこいよ」
まったく気にせずにそう冗談を言うのであった そして
「何言ってるのよ。どうせお父さんが来たらさっさと店開けって言うんでしょ?」
両親もそれが分かっていた
「、、、それじゃー、私は帰るから、、、退院する時に迎えに来るわね。桶は帰りに戻して」
そして母親はさらにその先も分かっていたからすぐに病室から去る
「っ、、、ちょっと退院後に行きたい場所あるから迎えに来なくていいよ」
「そう、、、気を付けていくのよ」
そうして母親は病室から去るのであった
「、、、うぅ、、、うう!」
そして海斗は目から大粒の涙をこぼした
「部長、副部長、、、明、、、うぅ」
余りにも唐突に失った大切な3人のことを同じく大切な家族を見て思い出してしまった
「、、、泣いてちゃダメだ。未来の大作家が助けてくれたんだ。伝説の寿司職人になる最高の物語を創り出した作家として天国で自慢できるようにしないとな」
しかし直ぐに前を向くのであった
「寿司食お」
そして寿司を食うのであった
2日後
「それじゃー、お世話になりました」
「何かあったらすぐ来てくださいね」
先生に見送られ海斗は退院していった
「、、、右手に刺身包丁。左手に寿司桶、、、騎士かな?」
目的の場所に向かいながら海斗は剣と盾を構えてそう呟く
「そういえばスコップとか神社内にあるのかな?それとも警察とかが回収したのか?まぁ、今から行くからいいや」
海斗が向かっているのは事故の現場である神社である
(会いに行きたい)
そして山を登るための坂に辿り着く
「ふー」
(足が震えてるな、、、怖いのか?)
海斗の足は震えていた
「あれ?海斗先輩!?」
すると後ろから聞きなじみの声が聞こえた
「和人?!」
それは和人であった
「、、、お前も3人に会いに来たのか?」
海斗がそう聞くと
「一緒に行きましょうか」
和人はそう返した
「ああ」
こうして海斗と和人は神社へ向かうのであった
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