幕間その2「女子会の楽しみ」
穏やかな休日の午後、綺羅はエリーゼの家に招かれていた。
「綺羅、よく来てくれたわ」
エリーゼが笑顔で迎えてくれる。部屋に入ると、オリヴィアも既に来ていた。
「あら、綺羅。久しぶりにゆっくりできるわね」
綺羅は少し照れくさそうに微笑んだ。
「はい、楽しみにしていました」
テーブルの上には、手作りのお菓子や温かい紅茶が用意されていた。
「さあ、召し上がって」エリーゼが勧める。「これ、私が焼いたクッキーなの」
綺羅が一口食べると、目を丸くした。
「わあ、美味しい! エリーゼ、お菓子作りが上手なんですね」
エリーゼは嬉しそうに頬を染めた。
「ありがとう。綺羅に教えてもらったレシピを参考にしたのよ」
オリヴィアが楽しそうに言った。
「そうそう、綺羅のレシピは本当に素晴らしいわ。科学的なアプローチが効いているのかしら?」
綺羅は少し考えてから答えた。
「そうですね。材料の配合や焼き方も、ちょっとした工夫で大きく変わるんです。でも、何より大切なのは作り手の愛情だと思います」
エリーゼが興味深そうに尋ねた。
「ねえ綺羅、前の世界ではどんなお菓子があったの?」
綺羅は懐かしそうに話し始めた。
「そうですね……チョコレートケーキや、アイスクリーム、それからマカロンなんてものもありました」
「へえ、面白そう!」エリーゼが目を輝かせる。「いつか、その『チョコレートケーキ』っていうのを作ってみたいわ」
オリヴィアも頷いた。
「私も興味あるわ。綺羅、機会があったら教えてくれるかしら?」
綺羅は嬉しそうに答えた。
「もちろんです! みんなで一緒に作れたら楽しいでしょうね」
話は尽きることなく続き、気がつけば外は夕暮れ。
「あら、こんな時間」オリヴィアが驚いた様子で言う。
綺羅も名残惜しそうに立ち上がる。
「本当に楽しい時間でした。また機会があればぜひ」
エリーゼが綺羅を抱きしめた。
「ええ、絶対にまたやりましょう」
帰り道、綺羅は心地よい疲れと共に幸せな気分に包まれていた。科学や実験も楽しいけれど、こんな何気ない時間も大切だと、彼女は改めて感じたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます