第2話
そんな親友の暴走を止める役目は桜子のものであり、今日も今日とて、そのままあんみつ屋へすっ飛んで行ってしまいそうな佳世に待ったをかける。
「付き合うのはいいけれど、佳世。貴女、先生に課題出されてなかった?ほら、浴衣の課題」
「……。あ」
桜子の指摘に間を置いて、佳世の顔から血の気が失せていく。
この世の終わりだとでも言うような表情に苦笑すれば、佳世が頭を抱えて叫び出す。
「この前の遅刻の罰として浴衣を縫えって言われてたぁー……!!」
「あんみつはまたの機会ね」
「桜子お願い、手伝って!!」
「……ちなみに期限は?」
「明日」
図ったかのような返答である。
「お願い!あたしはもう松田のばばあの説教なんて聞きたくないのよ!説教は長いわいつの間にか愚痴になるわ、まったくわけわかんないわ……!」
「手伝うのは良いけれど、今日中に終わるかしらね……」
「桜子の裁縫の腕なら大丈夫!」
「佳世の課題でしょ」
「桜子ぉ~」
「……もう。わかったわ」
必死に頼み込む佳世の姿に桜子は頷いた。
なんだかんだ言いつつも、結局親友には甘い桜子なのである。
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