序章
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『命短し 恋せよ乙女』
そんな歌に惹かれて、ただ無邪気に恋に憧れていた。
悩みと言えば、学校帰りに寄るお店は何処にしよう。
今度、友人たちと見に行くお芝居はいつにしよう。
悩みなんて本当にちっぽけで、端から見れば何の変哲もない海老茶式部。
花百合高等女学校5年生。
そして―――没落した日崎伯爵家の一人娘。
とは言えども、今は平民として普通の生活を送っている。
母は幼い頃に亡くなり、兄弟はなく、父親と二人暮らし。
暮らしに文句はなかったし、女学校に行かせて貰える境遇には感謝していた。
何の変哲もない日常だった。
……あの人と出逢う、あの日まで。
貴方のことを嫌いになれたら、どんなに楽だっただろうか?
でも、そんなこと、できただろうか?
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