第2章 家とアイテムと私

第2章-1話 斧を下さい

つっぷしていた。


目を開けると、そこには何も無い世界が眼前から見えた。


そこには、草原が広がっている。


辺りには樹木が立っており、林になっている。


湖があって、そして離れた所には岩場があり、洞穴があった。


「何だよう。もう、周りに誰もいないのはいつものことだけど、こんなのはあんまりだ。先程、見つけたサファイアはどうなってんだよ。」


悲しい顔をしていた。目の前のおいしそうなワラを取り上げられた子羊のような顔だ。


しばらく途方に暮れた。


ここは何処なんだろうか。


死後の世界という所なのだろうか。


それにしたら野暮ったいところだ。


何だか、自分の希少価値を高めたり。価値あるものを求める忙しい現世から忘れ去られた自分を感じてしまった。


まぁ、いいか。


寝転がった。空を見ると雲が流れていく。


「角張った雲だな。太陽も角張っている。変な世界だ。」


不思議に思った。


現世では丸みがある物をこの世界では角張って見えてくる。


「そうだな。周りの物も見れば何か違う。」


近くに木が立っている。


だが何故か四角い。


「これはひょっとしてブロックか?ブロック状になっているのか?」


試しにその木を叩いてみた。少し欠けた。


叩くに叩いてみた。そうするとポロッっと小さなキューブ状のアイテムらしき物が地面にドロップした。



アイテム『白樺の木』を手に入れた。


気付いたら視界下にウィンドウが表示されている。


このウィンドウの中に先程、手に入れた「白樺の木」がある。


「とりあえずこれを一杯集めてみよう。」


アイテム『白樺の木』を10個集めることにした。


手作業で白樺の木を叩き続けること5分。




10個集め終わった。


汗をかいていた。『白樺の木』を取っていたらその分だけ疲れた。


お腹がすいたし、喉も渇いた。


近くに湖があってそこはキレイに澄んでいた。深い所には魚が泳いでいるのも見える。


ゴクゴクと湖の水を飲む。


旨いな。ミネラルの効いた味だ。気付いたら近くに山があるではないか。


やはり山もよく見るとブロック状にできている。


ただ、腹が減ったのはまだ満たされていない。


魚を釣るのには竿は先程の木から作れそうだが、糸が無いから不可能だ。


他にも近くに何かないのか探して見よう。



豚だ。


豚を見つけた。


おいしそうだ。


食べ頃だ。お腹がすいた。


食べなければならない。そう急き立てられた。



そうして私は次の瞬間、勢いよくその豚を殴った。


豚は勢いよく草むらへと逃げ込んで行った。


逃げ足の速い豚め。

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