第1章-4話 飛べよ石ころ
「この平べったい石はな、回転をさせると素晴らし動きを見せるようになるんだ。」
「回転をかけるの?どうやって?」
聞いてくれるのは嬉しい。話す気が湧いてきたぞ。
学校では余り話しをしていないせいか、こういうのは不慣れながら身振り手振りで教えてあげよう。
「こう、円盤の側面に指を掛けるんだ。そこで指から石が外側に逃げるような感じ
のところで、ギュっと指を畳もうとすると回転がかかる。手首を使えばさらに回転がかかる。」
「へー」
「はー」
「すげぇ」
「これに横投げを加えれば、川の水面を跳ねるように進んで行くんだ。」
得意げにお話を続けいてたら子ども達も目を輝かせそうだった。
そのへんのダイヤモンドよりも良い瞳をしているくらいだ。
そうして、河原に私たちは着いた。
「よし、行くか。見てろ。5回以上は跳ねて向こう岸まで届くからな」
「本当かよ」
「無理じゃね」
「難しそうではあるかも」
そこで私は、サイドスローのモーションに入った。
肩と平行に石の収まった手を引いて、先程教えた要領で手の指に力を入れて手首を返す。
後は肩と腕の力で前方向へと推進力を出して、秒速10回転以上は回っているのではないかと思うくらいの回転をかけて川の水面を沿うように投げ込む。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ターン!!!!!
「すげぇ」
「すごくね」
「マジかよ」
みんなで口をあんぐりとしている。ナイスリアクション!どんなもんだい。
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