怪物のスクープ

@k0905f0905

第1話

 外間道(とまみち)誠也は週刊誌(報徳毎日)のスクープ

専門の担当記者。他紙からはとんでもないスクープを

連発して出し抜いて掲載するので、(スクープの怪物)

と呼ばれて恐れられていた。

 そんな誠也のもとに一通の差出人不明の手紙が

送られてきた。

 手紙の内容は宇宙を食べている途轍もない

怪物が存在しているという物だった。

 最初は相手にしていなかった誠也だったが

月が次第に侵食されているという天文学会の会見を

聴いて、自分の考えを改めるようになった。

一方、自分が宇宙を食べている怪物(ヒュルマン)であることを

悟った誠也は食べてしまった宇宙を吐き出そうと

懸命の努力を試みる。

 しかし、その思いとは裏腹に宇宙を食べ尽くしてしまいたいと

いう欲望は誠也の中で日増しに強くなり、コントロールが効かなくなる。

 宇宙を食べる代りに全人類を食べてしまおうという方向にシフトチェンジ

しようと試みた誠也だったが見事に失敗に終わる。

 人間の肉はまずくて食べられずすぐに吐き戻してしまうのだった。

やがて誠也は恋人の山東多マズナと結婚した。

マズナはやがて妊娠し、女の子を産んだ。

女の子の名前は、宇宙(そら)と名付けられ

宇宙はスクスクと成長した。

 そしてまた、誠也のもとに一通の手紙が届いた。

その文面は誠也が宇宙ともども実の娘である

宇宙を食べるか、実の娘である宇宙が誠也ともども

宇宙を食べ尽くしてしまうのか二つに一つの

選択しか残されていないというものだった。

 手紙を誠也に送った主は誰なのか?

警視庁捜査一課の阿多頼(あたらい)黄砂は

部下の熊島竜也とともに事件の真相究明に乗り出した。

するととんでもない事実が発覚した。

 警視正の鍵田正雄が生物学研究所から賄賂を受け取って、

新人類の開発を黙認しているというものだった。

 新人類(Xパーセント)はやはり宇宙を呑み込んで

しまうということだったが、宇宙(そら)は新人類

千人を率いて、宇宙を呑み込んでしまおうと計画

していたのだった。

 一方誠也に怪物のことを匿名投書した

少年、御岳カズマは自らも新人類たちの

親玉、(カフェロン)として運命にあらがえずに

宇宙を呑み込もうとする。

 月が新人類たちに完全に食べ尽くされたときに

政府はようやくその重い腰を上げた。

 目には目を。怪物には怪物を。

新人類たちを喰らう超人類(フルトマン)の開発に

成功した生物学研究所の湊川康夫は

政府にフルトマンを高値で売りつけようと画策した。

やがてフルトマンは自らの意思を持ち、地球を

救おうと懸命になる。

 一方、生物学研究所から賄賂を受け取っていた鍵田は報徳毎日や他社の

取材攻勢に晒され自殺に追い込まれた。

人類の運命はどうなるのか?

地球の命運はどうなるのか?

宇宙の運命はどうなるのか?

Xパーセントたちとカフェロン、宇宙に戦いを挑む

フルトマン。

誠也はそれでも宇宙を救出するべく、単身

フルトマンに戦いを挑むのだった。

 フルトマンの弱点は食べた宇宙の廃棄物の

処理方法が自分でわからないことだった。

誠也は廃棄物を処理するために

自分の胃袋に異空間を作つて

食べてしまおうとする。

しかしあるとき胃袋は破け、宇宙の廃棄物が

地上にばらまかれることになった。




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