第4話 闇の暴君

 ミーゴブレスとは誰が名付けたのか、私には分からない。

いつのまにやら、そう呼ばれ続けて1000年くらいは経つだろうか。・・・変な名前だ。


 正確には953年前、考えてみたらとてつもなく長い時間を活動しているな。

大昔は、「古(いにしえ)の闇の暴君」と呼ばれていた。・・・懐かしいし、カッコいいな。


 私の正式名は、コーレ・タイゼン・ゴヨレルミレンという。

 少し長く言いずらいが、ちゃんとした名は一応これになる。しかも私は人として存在する人間だ。どうやらただの霧が無造作に選んだ所を、漂い(ただよい)攻撃してると思い込んでいる者達がいるみたいだが、これは私が意図して、一人でやっていることだ。私には私の正義があり、やらなければならない義務であると考えている。それには色んな犠牲があることは、百も承知だ。

私が発生させた霧・・・いや、ミーゴブレスは全てを飲み込んでしまうため、時には人ごと飲み込むこともある。あれは私の力では、どうにもする事はできない。一度発生させると、ミーゴブレスは、私の正義を遂行(すいこう)しようと活動を始める。

 霧を発生させる場所は、ある指令を受けて行っている。その指令の送り主は、私の力の強大さ故の、惨忍(ざんにん)さに気付いた者だ。奴らは、ある事で私を縛り付け、誓約のようにこの活動をさせている。本当は嫌なを・・・、誰か助けて。

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