第25話

翌日、塾に行くと先生たちがバタバタしていた。金井くんがその辺にいたから聞いてみた。


「やっぱり朝留美先生、辞めたみたい…」


「えー」


昨日のあれ嘘なの?担当してたのたくさんあったはず。アルバイトなのに普通の先生より頭良くて、いくらでも教えてたのに。


「なんか、今日の朝言いに来たらしいけど、元気なかったらしいよ」


「失恋とか?」


「さぁ…そこまでは」


先生って、責任感ありそうなのに。思ってたよりだめ人間。


「そうだ、金井くん」


「なに」


「学級委員長になったの?」


「そうだけど」


「なんで?」


「興味本位」


「ふーん?」


そういえば金井くんって女に振られたんだった。フリーか。


「興味本位で私と付き合ってみる?」


「は?ありえな。無理」


「無理って!なんで」


「え?興味ない」


「はぁ?なんなのそれ」


「いや、稲賀さんだって。花田さんにしか興味ないくせに」


「なにそれ!真矢ちゃんは別!」


「友達が欲しいってこと?」


「…そ、そんなわけ」


「友達にもなれない」


「…言ってないし」


「もっと普通に話せばいいのに」


「何様のつもり?」


「学校では偉そうにしすぎ」


「うるさい」


なによ偉そうに!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る