第20話

初日から普通の授業がはじまる。


既に高校レベルをやっているわけだが、担任の山田は俺たちに劣等感なのか、勝手に授業を進める感じである。

ここわかる人、なんて言わないし。

ただひたすら教科書の問題を解いて解答して。こんなの自分でできる。

だからこそ、塾で勉強しないと物足りない。

高校入ったら先生変わるだろうし、まぁいいや。


「山田の授業つまんなさすぎ」


辰巳は塾行ってないのに、英語が得意である。昼休みにぼやいているが、授業中はぼやいてない。


「いや聞いてるだけ偉いから」


他のテキストを俺はやってるのに。真面目なやつだ。


「あいつの発音、用法を注意したいけど、どーせ職員会議とかで言いふらして嫌がらせされそうだからやめておくー」


辰巳なりに考えているようだ。何も考えてなさそうなのに。


「金井くん、山田先生が職員室に来てだって」


花田さんからの伝言である。山田の呼び出しに慣れてる花田さん…委員長って結構使いパシリだったのかな?


食後に職員室に行ってみた。


「金井くん、無理して体育に出なくてもいいのに。目立ちたいってこと?」


…いきなりこんなことを言われるとは。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る