3年生

新学期。

また辰巳（たつみ）と同じクラスだ。

よかった。もちろん花田（はなだ）さんも一緒なのだが…

塾が同じになった稲賀（いなが）さんは、クラスが変わってしまった。俺がいるクラスは学年のトップクラス。ということは、稲賀さんは成績が落ちたということだ。

高校にはエスカレーター式で行けるので、中3だからって特別勉強するということはないのだが、トップクラスをキープすることが重要であるというのはわかっていたはずだ。さぞ落ち込んでるかもなぁと思ってしまった。

そんなこととは関係なく、辰巳は無邪気である。

「また春（はる）と同じクラスじゃーん、ラッキー」

あまり成績気にしてないのに、辰巳は成績いいのなんでなんだか。

「春〜無視するなよー」

「辰巳、稲賀さんクラス変わったから、花田さんと話したりする？」

辰巳の彼女である花田さん。しかし、稲賀さんは花田さんの大親友だと思ってて、辰巳と花田さんが仲良くしてるのが許せないようだった。だから、2人はクラスでは日常会話くらいしかしていなかったと思う。

「話すのは普通だよ？」

うーん、辰巳がわからない。そんなんで付き合ってると言えるのか？

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