第15話

雛理ひなり尚巳なおみと抱きついてるところを見られるとか!くそー!もういい。


「尚巳、屋上行こう」


「わかった」


立ち上がらせて、屋上のドアを開ける。

そして、ドアを閉めてそのドアに尚巳を押しやる。


「目を閉じて」


「えー、キスするの?」


「するよ」


目を閉じてくれなかったけど、いい。

柔らかい唇を塞ぐ。


「尚巳、今日は一緒に帰ってくれる?」


目がくるっとしてる。


「ん…友達と帰るの」


がっかりだ。


「じゃあもうちょっとキスさせて」


勝手なことばっかり言っちゃった。


「…ごめん、苦しかった?」


「ううん?」


首を振る尚巳。かわいい…

ぎゅっと抱きしめる。尚巳を独り占めしたい〜


「げ。チャイム鳴った!」


くそー!もっと尚巳にくっついてたかった。


「戻ろうね」


手を繋いでくれる尚巳。あぁー好きだ!


「尚巳といつ遊べるの?予約早く入れてよ」


屋上のドアを開ける。手を繋いだままだけど、もういいや。そのまま教室に向かう。


「んー、明日ならいいかな」


「絶対だからな!」


「うん」


春休みも遊んでないんだからな!

教室に入る前に手は離しておいた。みんなうるさいから。尚巳は女子たちにすぐに取られて、なにやらひそひそしてる。うざい。


「お、ふゆおかえりー。デート?」


すでに席についてたあきは、にんまりしてるし。


「全然話せなかったし」


「どこでデートするの?」


「屋上」


「おおー冬ったら大胆!」


「ばっか!なに言ってんだよ!」


あ…先生が入ってきた。


「き、起立」


号令をしないといけない…委員長なのまじやなんですけど!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る