第14話

「なにがー?」


「だって、兄ちゃんと付き合うのもう辞めたの、兄ちゃんが嫌になったからだからさ…」


「そーなの?知らなかった!」


「えー?のんちゃんも知らないのかな?」


「さぁ?わかんない」


「…じゃあいいのか?」


冬はなんでもかんでも考えちゃうんだよー

冬のことじゃないのにね?面白いー


「冬、同じクラス嬉しいね」


「…うん、嬉しい」


わぁ、今度は冬が抱きついてきたよー


「あ」


屋上のドアが開いた。この人は、冬のお友達の早川はやかわくんだ。雛理ひなりってお名前なんだけど、みんな早川くんって呼んでる。早川くんは、表情なくて怖いってみんな言ってるけど、どうなのかな?


「わーー、雛理!」


冬はびっくりして離れた。


「ごめん冬…ちょっと通らせて」


「…うん、ごめん」


冬は階段を通れるように立ち上がった。すごく恥ずかしそうにしてる。早川くんは全然気にしないで通り過ぎた。冬だけ気にしてるー


「…雛理に見られた」


「えー?別に抱きついてただけだよ?」


「そうだけど!」


冬はまた座った。


「あいつにも彼女いるんだけど、今はどうなのかも知らない。雛理ってあんまり自分から話さないから…」


「冬はもっとお話ししたいんだね」


「そうだけど…尚巳とも話したいし…」


「冬は大忙し!」


「尚巳がかわいいせいだからな!」


えーなにそれー

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