第13話

昼休み。友達と雑誌見て話してたら、冬がやってきた。


「尚巳、来い」


腕を引っ張られて、どこか行くみたい。

たぶん上だから屋上かな?


「うえー、雛理が電話してる」


「じゃあここで話そう?」


屋上のドアを冬は閉めた。

そのへんの階段に座る。


「ごめん…なんか…急に連れてきて」


「ううん?冬、お話ししたかった?」


「…そう、なんだけど…友達と話してたのになんか無理矢理…」


「いいよ。でも、急に引っ張ったらびっくりするー」


「ごめん」


冬をぎゅっとしてあげる。冬ってみんなの前で、尚巳とどーしてもお話ししたい!なんて言えないんだって。恥ずかしいみたい。ぎゅっとしたら落ち着いたみたい。


「尚巳、せっかく同じクラスなのに、もっと話したい…」


「冬、いっぱいみんなと話してたよ?」


「尚巳がいい」


「秋くんとも話してたよ?」


「そーだけどー」


ちょっと冬はすねてる。


「なに話す?」


「…春休み、なんで遊んでくれなかったんだよ。電話しても予約がいっぱいとか、そんなんばっかだし、ちょっとくらい遊んでよ」


「だってー」


「のんちゃんとは遊んだのかよ」


「遊んだよ?」


「それで、のんちゃんのお姉ちゃんは?気まずい?」



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