第10話

「しょーやおかえりー」


なにやらようは、待ち伏せしていた。家の前で。


「なに?」


「俺の部屋で話そう!」


な、なんだ?怖いぞ…


陽の部屋に入ったらびっくり。物がまとめられてる。


「引っ越しする」


残ってた茶舞台を前に座る。


「は?学校の近くに?」


「いや、わからないけど…」


「それは、教えられないってこと?」


「…今は」


なんなんだ?春休み頃から陽の様子がおかしい。遊ぶ約束してたのに遊べなくなって、背中に刺青入れて。


「それで、大学辞めることにした」


「え!?なんで」


「合わなかった…」


「それって…」


いじめられたのか?いや、こういうのは言わないほうがいいのだが…


「今してる仕事が楽しくなったし、大学に行く意味がわからなくて。もう、手続きしたし、明日には引っ越すね」


「はぁ!?そんな急に?」


「ごめん。急に決まった」


「今してる仕事ってなんなんだ?塾のバイト辞めてなにしてんだよ」


「経理」


…事務員なのか?わからない、それが楽しいから大学辞める?いや、せっかく入った大学なのに、そんな仕事のために?

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