第9話

「お前、幹部候補だろ?」


「はぁ、まぁ」


「だったらお前の本職だ」


そうなのか…。だったら迷う必要ない。


「あの、大学は辞めて本職まじめにやります」


「あっそ」


「それで…金なくなるし、安いアパートとかないっすか?」


「あるぞ。連絡するから、お前引越し準備しろ。ここは俺がやってやるよ」


「あざす!」


雛理の親父優しいんだけど。でも、ちょっとなよなよした感じだよなぁ。堂々としてないっつーか。


住んでるアパートに戻り、引越し準備開始。いや、その前に大学で手続きだ!書類とかそういうので簡単にできるし、楽勝だぜ。誰もここに知り合いなんていないし、挨拶とかそういうのもないし。


あ。


自宅に帰って思い出した。そういえば、隣に住んでる親友のしょーやに何も言ってない。

まだ大学だから、後でいいや。大家さんに話つけるのが先だな。


てゆーか、安いってどのくらい?金銭感覚違ったらやべぇな。雛理に聞きたいけど、なんか怒られそうだからやめておこ。

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