第8話
2年になって、そろそろ慣れるかなと思ったけど、相変わらず友達というものはいない。
やっぱり、学校は苦手だ。
1人寂しく食堂で食事してたら雛理から電話があった。でも、怒られて終わったし。
はぁー、大学がつまらない。あんなに植物の勉強したいと思ってたのに、友達ができなくて辛い。
午後からの電話番をしてると、雛理の父親がやってきた。
「おい神田。お前ちゃんと仕事しろや」
「すみません…」
雛理に話聞いたのか?たぶん。
「で、お前。それ、なにしてんだよ」
「暇なんで、学校の課題っすよ」
「は?…大学行ってんのか?」
「はい」
「へー?お前頭はいいらしいな」
「そうかもしれねーっす」
「仕事やるからには適当にするんじゃねーぞ」
「はい」
わかってる。それは。
…俺なにしてんだろ。
このまま大学にいて、なんになるんだろ…。
研究者になりたいけど、それって孤独だ。俺は1人が怖い。
「あの…俺、役に立ってます?」
「はぁ?経理やってんじゃねーのか」
「やってますけど…」
「なんだ?まだ仕事増やしたいか?」
「…増やせるんすか?」
「山ほどあるぞ?お前、頭いいならいろいろやることあるはずだ」
「なら…俺、本職にしたいっす」
「は?てめぇなに考えてんだよ。もともと本職だろ」
「え?」
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