第5話
メールが面倒くさくなって、昼休みに外で神田に電話した。
「雛理!昼休みなの?」
「お前早く返事しろ」
「詳細って言われても。なにもわかんない」
「ちゃんと聞いとけよ」
「だってーアホそうな人だったし」
「関係ないだろ。人手が足りないから、入れないこともないだろうし」
「天野さんが連れてきたけど、あの人なに考えてんの?」
「だからそれ聞いとけ」
ったくうるさいやつだ。電話しても意味なかった。電話を切ったら、お父さんからメールが来た。
そいつは、ライブハウスでバイトしてる。金が欲しいのかも。雇ってもいいが、酒飲みすぎるやつだからそこは注意しろ。あと、数字に弱いからその辺はなにもできない。
…なるほど。
天野さんは義理の兄と仲が良いらしい。聞いた話によると、天野さんは犯罪に巻き込まれて逮捕され、両親に見捨てられて、今は寺の養子になっている。変わった人だが、兄とはどんな人なんだ?
とりあえず、今日行ってみるか…
もう一度電話する。
「おい神田。今日俺がそいつに会う」
「まじ!」
「だから呼んどけよ」
「え、番号知らない」
「はぁ?隼人の番号は?」
「知らない」
使えないやつだ。今度は俺から隼人に電話。一応まだお父さんの舎弟だが、俺につけるかもとのこと。
「おい隼人」
「…あ、なんすか…」
寝起きのようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。