第2話

「うるさい」


「冬の隣の席?」


「隣じゃねーよ。お前が前」


「いえーい!でもさぁ、先生は俺たちの区別つくかな?」


「当たり前だろ。ほら、雛理とも同じクラスだぞ」


「おー、よろしく」


「よろしくな」


もどかしい。秋が昔の記憶とか、いろいろ戻ったらいいのに。


「秋ーまたクラス同じだな」

「秋くんと同じクラスとか嬉しい!」


騒がしくなってきた。雛理の机周りなのに…

が、当人はぼーっとしていてなにも気にしてない。


そして尚巳は、ギリギリまで教室に戻らなかった。最悪だ。俺と話したくないのか!


「冬ー、なに怒ってんの?」


「後ろ見るなよ」


秋はふざけすぎてる。いつもこんな感じなのかもしれない。


「それでは、自己紹介を…」


あーめんどくせぇ。適当にみんな紹介してから、次は学級委員を選出。


「はいはーい!先生ー!冬がいいでーす」


尚巳が挙手してる。嬉しいけど…なんで学級委員なんだよ!


「はーい!俺も冬がいいでーす!」


秋まで挙手してるし!くそー


「秋くんが言うなら」

「尚巳のお守りで忙しいけどできるでしょ」


馬鹿にされたもんだ。


金井かねいに決定だ!」


なに勝手に決めてんだよ。知らない人も同意してるし。


「…他に立候補者はいないんですか?」


「金井くん、お願いしますね」


先生は面倒くさがったんだ。なんで俺なんだよ。めんどくせぇー!

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