俺は優しすぎるかもしれない
それで、話をまとめると。
「クラスの人からいじめを受けてるかもしれない」
いじめか、許せないな。
「うん、私はこんな性格だから、男をからかってるって噂が流れてね、それで仲が良かった人も消えちゃったの」
「別に悪い事じゃないのにな、だって誰とでも仲良くなりたいだけだろ、後噂だけで友達をやめる人なら関わらない方が正解だ」
「優しいこと言うね」
「もちろん、俺は優しいからな」
「なにそれ、自画自賛?」
「本当のことだよ」
いつの間にか午前の試合は終わっていた。
「お昼休憩に行くか?購買とか」
「じゃあ、誠の奢りでいいなら行こうかな」
「いいよ、今日だけな」
本当?と言いながら走りながら購買に向かっていった。
なあ、こんだけ買うことが可能なのか。世間一般な高校生に聞きたい。
購買で2000円近く消えたことはあるか?そうか、そうか、ないな。
いくら何でも買いすぎだと思ったけど、今日は許そう。今日だけな。
財布の中身を確認すると数枚の札が飛んでいたが見ないことにした。
屋上で一緒に食べることにした。
「ありがとね」
「ありがとうと思うなら買いすぎたことを反省した方がいいぞ」
「はい、反省してまーす」
全く反省してないよその態度。
「ところで誰が犯人かわかるのか、いじめの主犯」
「うんーわかるけど、教えない。違う方が嬉しいから」
「そっか」
壁にもたれる。俺の肩に頭を置きゆっくりと話した。
「多分ね、私の親友がいじめの主犯だと思う」
やっぱり、そうか。まだ入学して数週間で噂を流せるのは限りがある。だって、ある程度その人を知ってるひとじゃないと信憑性がない。つまり、同級生が流してると思っていたけど、親友か。どうするべきか。
「カスミはどうしたいんだ、親友と縁を切ることになるぞ。」
「わからない、わからないよ」
泣きながら言う彼女に心を痛める。いつもこうだ、性格が悪い人だけが得をする。そんなことあってはならない、だから助けたい、けど、正解が分からない。どんなに難しい問題でも答えがある、しかしこの問題は答えがない。
「大丈夫だ。大丈夫」
どうしようもない問題を考える。助けるともしてもどうやって助けるか。俺が一緒にいるだけで解決にはならない、逆にイメージ通りだと言われてしまうだろう。それは避けたいな、どうするか。いつの間にかカスミは俺の肩で寝ていた。枕じゃないんだけどな。
下校時刻にもなり、カスミを起こすと慌てて起きた。
「あれ、ごめん、私寝てた」
「多分疲れてるんだろ。なあ、親友の名前聞いてもいいか」
「南川真美子、中学からの親友でずっと仲良いと思っていたのけど、多分イジメの主犯者」
「ありがと、じゃ、金曜日俺の所に来てな」
「それ、セクハラですよ」
まだ、それ言う?
「明日な」
「はーい」
カスミは先に帰った。さてと、助けに行きますか。そう、言い俺は立ち上がる、肩に痛みを感じながら。
たしか俺の隣は3組だった。教室に行ってみるか。教室に着くと真美子らしき人がいた。ちょうど噂を話しているところだった。
「その、噂俺にも聞かせてくれないか」
「あんた、誰よ。気持ち悪い」
「気持ち悪いね、それはお前の方じゃね?親友の噂を流して、何が目的なんだよ」
「目的って、笑わせないで、あの人が私の好きな人を奪ったんだよ」
奪ったって被害妄想酷すぎでしょ。多分勘違いしているな、彼氏がいるような感じはしなかった。
「奪ったって。本当に言ってるのか?」
「そうよ、それを広めて何が悪いの?悪いことをしたのはあっち」
「いやーそれは勘違いをしてるぞ、だって俺カスミの彼氏だし」
「え、ええええ。ありえないよ。だってあいつは私の好きな人とずっと喋っていたもん、てっきりもう付き合っているかと思ってた。」
「ありえないな、そんな浅はかな考えでカスミを傷つけるって、本当に3年間親友だったのか?ただ、横にいる私が可愛かっただけじゃないか?」
「違う、違う。」
「1回話合った方がいいぞ、逃げるなよ、逃げたら仲直りなんか無理だぞ」
それだけ言い残し俺はこの場を去ろうとした。
「あ、次噂を流してみろ、その時はないぞ」
何がないかは言わなかった。行ってしまったら脅迫で捕まるから。
後日の休み時間ドアが勢いよく開く。
「お――――――い、何がどうなってるの」
「何がって?これよ」
スマホを見せられる。あーあこれか。
全生徒が入っているグループチャットに書かれていた。
『速報。沢城カスミ被害者だった。犯人は新庄誠。誠がカスミを脅して酷いことをしていた。つまり、噂はクズ誠が捏造した噂だった』
「で、これは何?」
相当怒っていた。けど、この方法しかなかったんだよな。流れてしまった噂は簡単に消すことができない、その噂より酷いことが起きないと。だから俺は部活のメンバーに頼んで噂を流してもらった。それから、噂が好きな人たちに知れ渡れるように仕向けた。このチャットも計算済みだ。
「なにって、本当のことだろ」
クラスの連中が俺たちを見つめていた。この状況まずいな。
「だから、お前を捨てたって言ってるんだろ、たく」
演技をする。そして小声で、「またな」といい教室を出た。
教室を出ると、桜が待っていた。
「本当にこれでいいの?噂を流したのは真美子なのに」
「これで、いんだよ。ただの嫉妬から生まれた感情だ。誰だって間違いはある」
「そうなのかな」
「まあ、今にはお前がいるだろ。裏切るなよ」
「わかってるよ、ずっと傍にいるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます