美穂の気持ち

私は逃げていた。あの時誠と話している時は楽しかった。けど、私が逃げたせいで仲が悪くなった、あの時手を差し伸べていたら変わっていたんだろう。ずっと後悔しても何も変わらない。なのにずっと後悔するしかない。

 今日はいつもより早く起きてしまった。マーガリンをパンにつける。いつもと変わらない味に安心する。部屋に戻り学校の準備をする。そして一枚の写真を見つめる。桜と誠と一緒に並んでる写真だ。今日こそは話かけよう、あの日に戻るために頑張らなきゃ。あの日から誠とは会っていない。多分避けているんだろう。

いつものように登校して、勉強するそれがずっと続いていた。誠と話す機会はなく、距離だけが遠くなっていた。放課後、話そうと思って行動に移すことにした。けど、先生から呼び出しをくだった。なんでこうなるかなと思った。私は教室を出て職員室に向かう。どうやら、部活をしないかと提案された。私は中学の頃バスケ部をしていた。けど、部活をするより誠と話してる方が楽しかった。高校では部活はやらないと決めていたので断ることにした。帰ろうとしたときスマホを忘れていたので教室に取りに行くことにした。すると教室から声が聞こえてきた。

教室から誠と雪が話してる声が聞こえてきた。部活の話をしているようだった。盗み聞きをしてるみたいで嫌だったから帰ることにした。はあ、今日も話せなかった。もしかしたらずっと話せないかもしれない。

 ※

 今日もいつもと同じように登校した。いつもと変わらない日だと思っていたのに。

「俺と雪は部活してるんだ」

 え、雪と誠が部活をしてる。とても驚いた、二人はいつの間に仲が良くなっていたんだろう。私は嫉妬をしていた。嫉妬する資格なんかないのに。

 私も入りたいと思った。誠が許してくれるなら、もう一度チャンスが欲しい。1回だけでいいから。

「私も入りたい」

 私が言うと、誠は驚いていた。それもそのはずだ私は嫌われている、彼を見捨てて逃げた。そんな私が部活に入りたいなんて自己中すぎる、それでも私はもう一度だけチャンスが欲しい。

 私だけではなく、桜も入りたいと言う。彼女も私と同じ気持ちなんだろう。彼女もやり直したい、あの日から止まってしまった時間を動かすために。

「そうだな、ようこそ、なんでも部に、けど、1つ忠告だ俺と関わると嫌われるかもしれないぞ。それでもいいのか。」

 うれしかった。今度は失敗しない。私は絶対に信じる誠を。あの時みたいに逃げたりしない。最後まで誠を信じて支えるそれが私の償いだ。

 桜と私は同じ気持ちだった。

「それでも、いいよ。もう逃げないから」

 同じ言葉を言う。

 誠にしかっりと謝って許してもらう。そしてあの時みたいに笑って過ごしたい。あの時に止まっていた時間が動き始めた。

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