第14話

海へのテレポート


半年が経ち、アンとゆみこはテレポートの技術を磨き続けていた。ついに二人とも、服を着たままテレポートすることができるようになった。ある日、ゆみこが提案した。「ねえ、海に行かない?テレポートで直接行けると思うし、楽しそうだよ!」


アンは目を輝かせ、「それいいね!水着とか食べ物も持っていこう!」と興奮気味に答えた。ゆみこは鞄に水着やスナック、飲み物を詰め込み、二人でテレポートする準備を整えた。


「じゃあ、まずはテレポート先の海をイメージして!」ゆみこが言うと、アンは頷いた。二人はお互いに心を集中させ、海の景色を思い浮かべながら同時にテレポートを試みた。


その瞬間、ゆみこは自分の体が海の近くに移動するのを感じた。服も無事にテレポートされ、波の音とともに心が躍った。しかし、周りを見渡してみると、鞄や食べ物がどこにも見当たらない。


「え、鞄は?」アンが不安そうに言った。


「うーん、どうやら鞄の中身はテレポートできなかったみたい……。お財布は無事にテレポートできたけど、食べ物は駄目だったみたいだね。」ゆみこは少し残念そうに答えた。


それでも、二人は笑顔を忘れずに、「服はちゃんと来れたし、まずは海を楽しもう!」と気持ちを切り替えた。ゆみこは財布を取り出し、自販機を探し始めた。


やがて、彼女たちは自販機を見つけて、ジュースを購入することができた。「ほら、これで乾杯しよう!」ゆみこが言うと、二人はジュースを手にして、海を眺めながら飲んだ。


「海の景色、最高だね!」アンが歓声を上げた。ゆみこも同じように感じていた。波が寄せては返す様子を見ながら、彼女たちは心の中でこの瞬間を楽しんだ。


その後、二人は海辺を散歩したり、波打ち際で遊んだりして楽しい時間を過ごした。食べ物がなくても、友情の力で満たされた素敵な一日だった。


帰り道、ゆみこはふと思った。「もし鞄も一緒にテレポートできたら、もっといろんなことができたのにね。」しかし、アンは笑いながら、「次はもっと練習して、持ち物も一緒に持っていけるようにしよう!」と前向きに言った。


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