第6話

靴下と下着を洗濯かごにテレポートさせる訓練


ゆみこは、集中するように深呼吸をした。目の前にはベッドの上にたたんである靴下と下着。それを目標である洗濯かごにテレポートさせるという訓練に挑戦する。


彼女はじっと靴下を見つめ、意識を集中させる。「靴下は洗濯かごにある」と強くイメージする。ゆみこは自分の体でテレポートする感覚を知っているが、物をテレポートさせるのはまだ慣れていない。


「よし…いくよ!」


手を軽く前に伸ばし、脳内でテレポートの力を集中させた。しかし、靴下はその場にとどまったままだった。何度か深呼吸し、イメージをもっと強く持つ。


「洗濯かごに、飛べ…!」


しばらくして、彼女の手がピリリと感じ、次の瞬間、靴下がふっと消えた。ゆみこは洗濯かごに駆け寄り、中をのぞき込む。靴下は、かごの中にきちんと収まっていた。


「やった…!」


喜びの声を上げたゆみこだが、次の瞬間、下着がまだベッドの上にあることに気づく。どうやら、集中力が靴下にしか向かなかったようだ。


「まだまだだね…」


彼女は少し笑って、再度下着に集中する。「これもちゃんと洗濯かごに行ってくれないと困るんだよ…お願い!」


再び力を込め、イメージを鮮明にした。その瞬間、下着もふっと消え、無事に洗濯かごの中へとテレポートした。


ゆみこは深く息をつきながら、少しずつコントロールが上手くなっていることに気づいた。次はもっと大きな物を、そしていずれは自分の着ている服も、テレポートできるようになるはずだと心の中で決意した。


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