あなたというわたし

第5話

テレポートの謎

ゆみこはベッドに置いてあるTシャツを自分の体にテレポートさせる訓練を繰り返したが、どうしても成功しない。そして着ている洋服が勝手にテレポートすることに、彼女は不安を募らせていった。

「なんで、だろう…」

ゆみこは頭を抱え、思考を巡らせる。周りには自分の部屋が広がっているが、気持ちが重く感じる。何度も挑戦するも、成功しないという現実が彼女の心を締め付けた。

「もしかしたら、私の気持ちが影響しているのかも…」

彼女はふと思いつく。自分の感情や集中力が、テレポートの成功に関係しているのではないかと。心が落ち着いていないと、うまくいかないのかもしれない。

「じゃあ、どうやったら気持ちを落ち着けられるんだろう…？」

そこで、彼女はまず深呼吸をすることにした。ゆっくりと息を吸い込み、吐き出す。そのリズムに合わせて、自分の気持ちを整えていく。彼女はテレポートの訓練をする前に、自分の心をリセットする必要があると感じた。

「今は、リラックスして、ただ集中するだけ。Tシャツが私のところに来るって信じるの。」

次に、ゆみこはTシャツを自分の体の一部のように思い込むことにした。彼女はそのTシャツが自分の一部であるかのように、心の中で強く意識する。

「このTシャツは私の一部、私の一部がここにある…」

ゆみこは、ゆっくりと念じながら再度テレポートを試みた。「テレポート！」

すると、彼女の心の中に強い光が広がり、まるで自分とTシャツが一体化したかのような感覚を覚えた。その瞬間、周りの景色が歪んでいくのを感じる。次に目を開けると、自分の手の中にTシャツがしっかりと持っていた。着ている衣服は勝手にテレポートしていない。

「できた！できたんだ！」と彼女は思わず声をあげた。しかし、同時に「でも、次はどうするの？」と不安も浮かんできた。

彼女は次のステップとして、まずはTシャツが自分の体に完全にテレポートできるよう、心を落ち着ける訓練を繰り返すことにした。また、持ち物を一緒にテレポートさせるためには、自分の感情や意識を深めて、より強い念を込めることが必要だと理解した。

「このまま続けていれば、きっと成功する！次はもっと頑張るぞ！」

そう決意したゆみこは、心を新たにして、再び訓練に挑むことにした。