第2話
お風呂での訓練
ゆみこは、先日の不完全なテレポートの失敗から学んだことを心に刻んでいた。洋服を学校に置いたまま家に帰ってしまったことで、恥ずかしい思いをした彼女は、もう二度とこんな思いをしたくなかった。「テレポートは危ない…」と自分に言い聞かせる。
そこで、彼女は新たな決意を持って、テレポートの訓練をすることにした。まずは安全な場所、つまり自分の家のお風呂から始めることにしたのだ。お風呂なら、もし洋服がテレポートできなくても、周囲に誰もいないので安心だ。
彼女はお風呂に入る準備を整え、入浴剤の香りが漂う温かいお湯に身を沈めた。「ここからお風呂にテレポートする練習をするんだ…」と心の中で呟き、少し緊張した。
目を閉じ、彼女は心を落ち着けて集中した。まずは、心の中で「お風呂に行きたい」という強い気持ちを思い描く。数回深呼吸をして、自分の力を信じる。「きっと、うまくいくはず。」
「テレポート!」と心の中で叫ぶと、次の瞬間、視界が流れるように変わり、ゆみこはお風呂の中に立っていた。今度は無事にテレポートできたことに、思わず嬉しさがこみ上げる。
しかし、彼女はすぐに現実に引き戻された。体だけが無事にテレポートできたが、心の中での不安がまた湧き上がる。「これが外だったら、みんなに見られてしまう…」そう考えると、急に緊張が高まる。
お風呂の中で、彼女はもう一度テレポートの練習を続けることにした。「今度はもっと素早く、そして正確に!」心を強く持って、再び目を閉じた。
何度もテレポートを繰り返すうちに、次第にその感覚に慣れていった。最初は緊張していたが、徐々に自分の能力に自信が持てるようになった。「できる、できる…」と自分に言い聞かせながら、何度も繰り返した。
最後に、ゆみこは深呼吸して、心を落ち着けた。「今度は本当に最後。自分の部屋にテレポートしてみる。」と心に決めた。
目を閉じ、心の中で「自分の部屋に!」と念じる。すると、また視界が変わり、彼女は自分の部屋に立っていた。無事に成功したことで、思わずガッツポーズをした。
「やった!できた!」心の中で歓喜が広がる。これからは少しずつ、テレポートを使いこなせるようになれるかもしれないと、彼女は自信を持つようになった。
ただし、次からは外では不用意にテレポートしないように心がけることを、ゆみこはしっかりと決意した。お風呂での練習は彼女にとって重要な一歩だったのだ。
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