第4話







 次は六条の章について説明するわね。


 六条の章は光源氏が才色兼備の誉れ高く、文学サロンの女王として君臨している先の東宮妃の噂を耳にしたところから始まるの。


 当初は六条邸を訪れても御簾越しで話すしかなく次の選択肢も



 ①漢文を教わる、論議する


 ②和歌を教わる、論議する


 ③日常会話をする



 三つしかなく、どちらかと言えば・・・・・・教師と生徒みたいな関係でしかないわね。


 しかしその三つだけで光源氏に対する好感度が上がる六条御息所って・・・・・・。


 あんたも藤壺の宮と同じくらいにチョロいな!


 六条御息所に漢文と和歌を教わったり論議したり、日常会話をしているだけで彼女に対する好感度が上がってしまう光源氏もチョロいといえばチョロいけどな。


 互いの好感度がMAX、嫉妬のパラメーターが0の状態で六条邸を訪れると選択肢が増えるの。



 ①御簾越しで話す


 ②御簾の内に入る



【御簾の内に入る】を選ぶと二人が愛を交わす美麗なムービーが流れるのだけど、同時に六条御息所にしかない【執着】というパラメーター数値が増えていくの。


【御簾越しで話す】を選ぶと最初の三つ以外にもう一つの選択肢④一緒に月を眺めるが出てくるの。


【一緒に月を眺める】を選ぶと


『月が美しいですね』


 と話す光源氏に


『源氏の君と共に眺める月だからですわ』


 と六条御息所がこう返すの。


 それを聞いた光源氏は強引に御簾の内に入って六条御息所と愛を交わしちゃう訳。


 六条御息所の執着パラメーターは、彼女の元に足繁く通っていても通わなくても、文を交わしていても交わしていなくても一日毎に増えて行くの。


 それを察して六条御息所が重く感じてしまい憂鬱になっていく光源氏。


 そんなある日、乳母の一人である大弐の尼の見舞いで五条を訪れている最中に、隣の家から出てきた女の子が花を扇に載せてそれを光源氏に渡すの。


 その家の主こそが夕顔。



 藤壺の宮とは想いを遂げられない


 六条御息所からは異常なまでに執着される



 完全に疲れていた光源氏は素直で従順で可愛い系の夕顔に夢中になってしまうの。



 六条邸に訪れない


 使いの者から寄こされるのは取り繕った言い訳がつらつらと書かれている文だけ



 光源氏の放置プレイに苦しんで思い詰めている六条御息所の耳に女房達の会話が入ってしまうの。



『源氏の君は五条に住んでいる女の元に通っている』



 それを知った六条御息所の理性のパラメーターは0嫉妬と執着のパラメーターはMAXとなり、自分でも気付かぬうちに生霊となってしまい夕顔を殺してしまうの。


 夕顔を殺したのは六条御息所の生霊、某の院に棲み付いていた物の怪説があるけどゲームでは前者を採用したみたい。


 それだけじゃないわ。


 何と!


 六条御息所の生霊はその場で光源氏を襲っちゃうだけではなく


『私というものがありながら斯様なつまらぬ女を愛でるとは・・・。辛い事でございます』


 と宣いながら、精気を吸い尽くして取り殺しちゃうのよーーーっ!!!


『やっと・・・私だけのものになって下さいましたね・・・』


 愛しいあなた・・・


 六条御息所の生霊が禍々しさを含んだ美しい笑みを浮かべながら愛しそうに、大切な宝物を愛でるかのように光源氏の亡骸に触れるの。


 光源氏が息を引き取った同時刻に、六条御息所もまた六条邸で息を引き取るの。


 六条御息所の死に顔だけど・・・不思議と幸せそうな表情を浮かべていたわね。


 これが六条の章のバッドエンドである【愛の絡め糸】よ。



 ここでエンディングを迎えてしまったら先に進めないの。


 話を先に進めるには互いの好感度がMAX、嫉妬のパラメーターが0の状態のまま【御簾越しで話す】を選択した後、①~③のどれかを選び続けないといけないの。


 そうすれば六条御息所の嫉妬のパラメーターが0のままだから光源氏は六条御息所に取り殺されずに済む訳。







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