第3話
藤壺の章は先帝の女四の宮が母后から桐壺帝の元に入内する話が出ている事を聞かされるところから始まるの。
『母上。帝が私を妃に迎えたいというのは・・・真でございますか?』
『ええ。貴女が今は亡き桐壺の更衣に瓜二つである事を耳に入れた帝が入内を望んでいるの』
『嫌でございます!!』
内親王は独身が通例なのに桐壺の更衣に似ているというだけで入内を持ち掛ける、父親といっても通用するくらいに年齢が離れている桐壺帝の妃になれだなんて年頃のお嬢さんである女四の宮にしてみれば『冗談じゃない!』ってなるわよね~。
桐壺帝の寵愛を一身に受けていた桐壺の更衣に瓜二つの妹が入内する→桐壺の更衣は身分が低いのに帝の寵愛が深かったから非難された→その点、妹は亡き父帝の第四皇女だから帝の寵愛が深くても問題ない→更衣腹の皇子が立坊するのは国の乱れに繋がるが皇女腹の皇子であれば無問題→妹が産んだ皇子が即位したら伯父として関白になれる
女四の宮の兄である兵部卿の宮はこんな感じで野心を抱いていたから母親と違って妹の入内に乗り気だったのだけど、桐壺帝の後宮が如何に恐ろしいかを耳にしていた母后は娘の入内に猛反対だったの。
母親として娘を案ずるのは当然だわ。
母后が生きている間は入内せずに済んだけど、鉄壁のガードマンとでも言うべき母親を失った事で女四の宮は桐壺帝の妃にならざるを得なくなったの。
女四の宮に与えられたのは藤壺。
以降、彼女は藤壺の女御や藤壺の宮と呼ばれるようになるのだけど実はそこで運命と言えばいいのか、宮中では【光る君】と呼ばれている九歳の第二皇子と出会うのよね~。
そこからようやくゲームがプレイできるようになる訳。
といっても某国民的RPGのように
今日は誰と会う?
藤壺の章では藤壺の宮しか選択できず、行動も
①一緒に朝餉を頂く(夕方だと夕餉になる)
②一緒に絵巻物を眺める
③一緒に物語を読む
④一緒に手習いをする
⑤一緒に花見をする
だけしかないの。
実はこれ、藤壺の宮の光源氏に対する好感度を、同時に光源氏の藤壺の宮に対する好感度を上げていく為のものなの。
理性と嫉妬と執着(←執着は六条御息所のみ)いうパラメーターもあるのだけど、これは後で説明するわね。
藤壺の宮は桐壺帝に大切にされているとはいえ、所詮は桐壺の更衣の身代わりでしかない。
桐壺帝に対して父親のように保護者に似た感情、主に対する従者としての忠節は抱いていても一人の男としては愛せないの。
そんな藤壺の宮の前に現れたのが第二皇子こと光る君。
将来美形になる事間違いない(瑞穂にしてみればBLでいうところの、誰かに護られているのが当然の華奢な受けという感じで好きではなかった。ただゲームとしては十分に楽しめた)のショタに藤壺の宮が心奪われるのは当然かも知れないわね。
・・・・・・・・・・・・チョロいな、藤壺の宮って。
三年後
十二歳になった第二皇子が元服したと同時に臣下となった日に左大臣の娘である葵の上と結婚する。
これは避けて通れないイベントなのだけど、光源氏と葵の上の露顕のムービーが美麗だったわね~。
桐壺帝は強力な後見人が居ない光源氏の為に左大臣家を選んだのは分かっているけど、三年の間に光源氏に対して理性MAXの状態で好感度MAXになっていた藤壺の宮に嫉妬が芽生えるの。
でも光源氏は義理の息子だから藤壺の宮は葵の上に対する嫉妬を抑える。
これが理性ね。
理性のパラメーターが高いうちは嫉妬を抑え込めるだけではなく光源氏を拒めるけど、嫉妬を抑え込むという事は理性のパラメーターが下がっていくという事に繋がるのだから理性と嫉妬は表裏一体。反比例していると言っていいわね。
そして理性のパラメーターが0、嫉妬がMAXになると藤壺の宮は生霊になって光源氏を襲ってしまうの。
えっ?
生霊になるのは六条御息所だけじゃないのか?だって?
実は光源氏恋しさに生霊になってしまうのは六条御息所だけではなく、藤壺の宮をはじめとする・・・特に主人公に深いかかわりがある女性達に言える事なの。
生霊というより色情霊と化したという表現が正しいのかな?
いや色情霊とは何かが違うような・・・?
まぁいいや。
嫉妬のパラメーターが増えていくのは条件があるのだけどね。
藤壺の宮の場合、光源氏と葵の上の夫婦仲が良好だと嫉妬のパラメーターが上がっていき理性のパラメーターが下がっていくの。
対象となる女性達の生霊化を防ぐには光源氏が文を送ればいいの。
文を送るにしても
どんな紙を使うか?
どんな香を焚きつけるか?
どんな植物に結ぶか?
という選択肢が出てくるの。
趣味が悪いのを選んでしまったら仕える女房達に馬鹿にされてしまうからね~。
愛しい人からの恋文を受け取った事で藤壺の宮の嫉妬のパラメーターが下がっていき数値が0の時に彼女の局を訪れると選択肢が出るの。
①御簾の内に入る
②御簾の内に入らない
【御簾の内に入る】を選ぶと二人は結ばれ、【御簾の内に入らない】を選ぶと【葵の上を訪れる】か【六条御息所を訪れる】という選択肢が出てくるの。
【御簾の内に入る】を選んだら二人が結ばれるシーンのムービーが流れるのだけど・・・。
・・・・・・・・・・・・結ばれるって表現を使っているけど、ムービーは美麗だったけど、要するに義母を寝取ったって事だよね!?
好感度MAX+嫉妬パラメーター0の状態で結ばれた二人は逢瀬を重ねるようになり獣のように互いを貪るの。
天網恢恢疎にして漏らさず
『帝の寵妃でありながら・・・』
『何て恥知らずな・・・』
『遊び女そのものですわ!』
人目を避けているとはいえ密会している事がバレてしまった二人───藤壺の宮は三条に帰された上で人々から嫌がらせや誹謗中傷の嵐を浴びせられるの。
光源氏はというと、父帝の寵妃と密通していた=謀反を企んでいるという理由で流罪ね。
ちなみに大宰府や出雲ではなく隠岐だったの。
これが藤壺の章のバッドエンドの一つである【背徳の恋人達】よ。
もう一つのエンディングと言えばいいのかな?
これは共通しているのだけど、さっきも言ったように光源氏が生霊と化した女性達に襲われて精魂吸い尽くされる形で最期を迎えるの。
ここでエンディングを迎えてしまったら先に進めないの。
話を先に進めるには
好感度MAX+嫉妬パラメーター0の状態で【御簾の内に入らない】を選択した後、【葵の上を訪れる】か【六条御息所を訪れる】のどちらかを選ばないといけないの。
葵の上を選んだら葵の章、六条御息所を選んだら六条の章へと進んで行くわ。
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