第2話 「創造」の力
俺は、城を飛び出したが、お金はそれほどなかった。
おそらく、1週間ほどしか生活できないだろう。
そこで、俺は冒険者になることにした。
「冒険者って面白そうだな!」
俺は早速冒険者ギルドに行った。
「新規のご登録ですか?」
受付では、優しそうなお姉さんが対処してくれた。
「冒険者ランクは、Fランクから始まり、E、D、C、B、Aランクとなります。
国から功績を認められたAランク冒険者は、Sランクに昇格することができます。
では、ステータスカードを作成するので、ここに血を垂らしてください。」
「あ、はい」
薄い板に血を垂らすと、板に文字が浮き上がった。
「登録名はどうなさいますか?」
登録名は自分で決められるようだ。
「ツクルでお願いします」
そして、俺は冒険者になった。
依頼は冒険者ランクの一つ上まで受けることができる。
俺は迷わずEランクの依頼、「ゴブリン討伐」に向かった。
ゴブリンは、討伐難易度は低いが、群れて行動するため、少し初心者には厳しい依頼だ。
しかし、レベルを上げるには最適な依頼だ。
俺は、見回りのゴブリンを見つけた。
「創造:短剣」
俺は「創造」で短剣を生み出した。
だが、刃こぼれがすごく、一度使うと壊れてしまいそうだ。
俺は、ゴブリンの急所である首に投げて仕留めた。
(よし、レベルが上がった!)
レベルが上がったことにより、「創造」のレベルがexと表示されている。
早速使ってみようとした時、俺は突然弾き飛ばされた。
後ろにオークがいたのだ。
「よし、早速進化した『創造』を使うか」
俺は、スキルでまた短剣を生み出したが、さっきのものと変わっていなかった。
「何でだ?進化したのに性能は変わらない?
やっぱりハズレスキルじゃねーか」
やっぱり、さっきの短剣では、オークに傷一つ付けられなかった。
そして、俺はオークに掴まれ、握りつぶされた。
「痛い、俺はここで死ぬのか?
せっかく俺がガチっていたゲームの世界に来れたのに?
クソが。
簡単に死んでやるかよ!!」
ゲームに登場しなかった「創造」。
その真価は、物を生み出す以外の物なのでは?
俺はそう思い、賭けに出た。
「創造:火魔法」
そう、魔法を生み出したのだ。
しかし、魔法というよりかは、ただ不規則に燃えている炎だ。
ならば、魔法名ならどうだろうか。
「創造:ファイヤーアロー」
俺は、手元から火の矢を生み出し、オークに放った。
そして、オークは一撃で焼け死んだ。
やはり、俺の思った通りだ。
「創造」の真価は魔法を使うことにある。
俺はこのスキルで、最強になってみせる!!
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