8話 死

 ゆっくりと、刃が落ちていく。

 二人の目に恐怖は見つけられなかった。

 刃が首に当たり、それでも止まらない。

 首を、少しずつ切り裂いていく。

 ついに刃が地面にぶつかった。

 大きな音を立てて止まった。

 ひどく耳障りだった。

 二人は断頭台の露と消えた。

 断末魔の叫びは私には聞こえなかった。

 落ちた首が転がった。

 その目は虚空を見ていた。

 死んだ。

 死んでしまった。

 この世から消えた。

 私は、何もできなかった。

 ・・・・・・いや・・・・・・しなかったんだ。

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