テレビ局で働いていたら
絵文子
第1話 テレビ番組のホームページで
今でこそ想像できないかもしれないが昔はこれが常識だったことがある。
そんなことを1話完結で紹介できる範囲で紹介していく。
某テレビ局へ派遣で働いていた。主な仕事は番組前後のホームページの更新だ。
文面の内容や画像は既に提供されるので私の仕事はそれを使って更新していくだけの話。所属社員として働いているわけではないので「派遣さん」「会社名+さん」とたまに呼ばれることもある。
とにかく番組名の言い間違いに厳しかった。同じ派遣会社員同士での会話も遠くにいる社員から一文字すら言い間違いをしようものなら指摘が入る。隣の席や向かいに座っている範囲なら聞こえるかもしれないがそんなレベルではない。フロア内の端にいる。正直フロアは狭くはない、まあまあの広さにも関わらず「よく聞こえたな」と驚かされていた。当時の私はサイトに誤字脱字があれば大問題だが、口頭で確認したり言い間違っただけではその場で訂正すればいいと思っていた。漢字の表記や読めない漢字に何度も泣かされている。その場で指摘されるのはいい方で何日も経過した後にまとめて同じ派遣会社のリーダーを通して注意されるのが嫌だった。
他にも当時のある有名事務所のタレントは事務所の意向で画像は一切掲載できないため、少しでも移りこんでいると後で厳しい指摘という名の叱責がおこる。お尻など体の一部も例外ではなく面倒くさかったし起用しなければいいのにとすら思っていた。今でこそ普通にサイトに載っているのをみると当時の自分はなんだったんだろうと思う。一瞬でも公開すると派遣元から殺されるのではと思ってしまうほどの剣幕で注意をうけたこともある。こうしたエピソードを聞くとテレビ局で働くスタッフは、さぞや自分に厳しく部外者にも厳しいのかと思われただろうか。
そんな中で部署内のトップが、派遣も含め全員の個人面談の評価が書かれたファイルを添付したメールが誤送信をした。その際はさらりと消しておいての一言で終わり呆れたことがある。同時に私に対して派遣元のスタッフがどう見ていたのか同じ派遣先のスタッフがどう思っているのかをこんな形で知ってしまいショックだったのは今でも覚えている。 終わり。
テレビ局で働いていたら 絵文子 @emi_10kakuyo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
未言日記最新/奈月遥
★18 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,091話
未整理の収蔵庫最新/嵯冬真己
★12 エッセイ・ノンフィクション 連載中 173話
ありふれた大学生の日記最新/花空
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 268話
師走に夢は走りだす新作/藤原くう
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます