魔の森
実践戦闘ということで俺たちは、イリーヌ王国の東にある魔の森にいる。
森の開けた場所にテントを立て後これからの予定について聞かされる。
「ではこれからの予定について話す。まず今日はこのまま自由時間にする…ただし森の中に入るのは禁止だ…三日程の慣れない旅だ疲労も溜まっているはず明日に備えて休憩するように…」
「そして明日の戦闘に関しては以前決めた3人1組と騎士の四人で行動してもらう…戦闘相手はスライムとゴブリン力は大していないが油断しないように」
今日のこれからと明日の注意など話し終えた。
話を聞き終えた俺は、すぐにテントの方に行き寝ようとする。ゴロリと寝転がって目を閉じるがなかなか寝付けない。
俺は一度起き上がりその場で胡坐をかいて座る。
「あれ…起きてる」
窪田は、起きてる俺を少し驚きながら見つめる。
「いつも寝てるのに珍しいねなんかあったの?」
「いつも寝てないし…まあ寝ようとしてたのは事実だけど…それで何かあったのか?」
「いや別に中瀬くんが話が終わった後すぐにテントに向かってたから追いかけただけ」
確かに話終わってすぐにテントに入ったからな…
「にしてもこの森なんだか不気味だな」
俺と窪田は、テントの外に出て森を見渡しながら会話をする。
「まあゴブリンとかいる森だしねそれはそうとこれ見てよ」
窪田は、そう言って手の平を上に向けるとぼこぼこと水の球が出来上がる。
「もしかして魔法?」
「そう!!水魔法まぁまだ手の平サイズの水の球を出すことしができないけど」
「すげーどうやってるんだ?」
「ふふんもっと褒めてもいいんだよ。やり方はグッてやっパッてするとできるよう」
ふふんと鼻息を漏らし胸を張る窪田気をよくしてやり方を教えてくれるが説明は難しいらしい。
「魔法かー俺も使ってみたいな」
「大丈夫中瀬くんならきっとできるよ」
魔法…窪田が言うにはグッとやってパッとすれば出るらしいが…
手をグッパッしたりして(魔法でろ)なんて心で唱えるが案の定何も出ない。
「んーよくわからないな」
「難しよね僕もこれが出来るようになるまで2週間ぐらいかかったしね」
2週間か…俺の場合はその倍はかかりそうだな…
ドタドタ足音が近づいてくる
「透くんー!!」
三月がいつものごとく突っ込んでくるが俺は横にスッと無意識に避ける。
三月は勢いのまま倒れることはなくブレーキをかけてこちらに体を急旋回させて足を踏み込む俺の腹に突撃をかました。
「またか三月」
「いやーごめんごめん」
「まあいいよ三月のおかげか腹筋がすごい鍛えられてる気がするし」
「本当っ!!じゃあもっと突撃してあげる!!」
「いやっ冗談だから冗談」
「そういえば三月って魔法使える?」
三月のいつもの突撃を終え質問する。
「使えるよどうやら私魔法の才があるらしくてねいろんな魔法を使えるんだよね」
自慢げ語り三月渾身のドヤ顔を見せる
「へぇーどんな魔法が使えるんだ?」
「うーんそれは明日のお楽しみにってことで」
三月は、パチんとウィンクをして決め顔をしたつもりだが両目が閉じている。
俺と窪田は、そんな彼女を見て同時に吹き出してしまった。
「それにしてもよかった」
「なにが?」
「いや、明日の戦闘って3人1組でしょ…この3人で組めてよかったなーって」
「確かにそうだな…正直寝てばっかであんまりクラスの人と喋ったことないから助かっよ」
「透くんいつも寝てるもんねー」
「でも今日はなんか様子がおかしいよね?」
窪田は心配そうに俺に聞いてくる。
「うーん俺は別になんともないけど」
「たぶん慣れない馬での移動で疲れてるのよ」
「確かにそうかもじゃあ今日はもうこれで解散して各々のゆっくり休もう」
俺はテントに戻り横になる
「眠れない…」
色の黒い木々に憂鬱な植物たちそんな影の濃い森の中に潜む嫌な予感が俺の胸に広がっていくのを感じた。
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