第79話
「マミヤちゃん」
「千亜稀ちゃん」
その呼び名が定着するまでそんなに時間はかからなかった。
超豪華な夕食を済ませて、幸せいっぱいでエレベーターから降りようとした瞬間、右腕にラリアットが入ってエレベーターに逆戻りした。
「いってらっしゃいませ」
笑顔で軽く会釈をしたマミヤちゃんが閉まるドアに隠されて行く。
動き出したエレベーター。
相手はもちろん…王子。
今度は何?
てか身体大丈夫なの?
隣に立つ王子に、掛けられない声。
(意識するとダメなんだよッッッ)
行き先は1階みたい。
沈黙が流れて、あたしは一緒に大きな油汗が流れる。
王子がフッと笑って、あたしの上からエレベーターの壁に手を伸ばす。
王子の影にいるあたし。
王子が本気になればあたしなんて簡単にどうにでもデキちゃうのに…
あたしのおでこに軽く唇を当てて、その唇が頬、そしてあたしの唇まで近づいてくる。
ここ、エレベーターの中だよ?!
「やめ…ッ」
その瞳があたしを捉えて唇が重なった。
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