第71話

充くんとの2度目のキス。




「一緒」でしょ?



王子にされるのと「一緒」でしょ?



好きでもない人とキスするんなら、王子も充くんも「一緒」でしょ?





あたしは前に立つ少し日に焼けた充くんを見上げた。



かっこいいし、裏表なさそうだし、ちょっと女慣れしてる感はあるけど…あたしに興味ないの知ってるけど…優しいし、キスくらい一緒。







…違う。




違うんだ。





あたし、やっと気付いた…




王子とするキスは、こんなこと考えない。



イヤ・いやと思ってはいても、本気で「嫌」じゃなかったんだ。







充くんが優しくあたしの腕に手をかける。



「ごめんな」



涙目のあたしに、小さくそう呟いて瞳を閉じた。





あたしもきつく瞳を閉じた。




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