第70話
ウソ…
『勝者は何と----!!』
ウソ…
『山神---充---!!』
リング上でのアナウンスのように割れんばかりの音量で叫んでいる。
(う…そでしょ…)
アナウンスに促され、簡易表彰台へあたしは脚を進めることになった。
(嘘でしょ…ねぇ。あんた王子なんでしょ…この状況、どうにかしてよっ)
両腕を掴まれて引きずられる中、必死に王子を見た。
王子は、ただ伏せ目がちに立っている。
それも「偽り」?
「彼女」が他の男にキスして、それに「傷つく」ふり?
合わせてはくれない視線にあたしは悲しく俯いた。
王子を心配する声と、この行為を煽る声が半々になって、やがて後者が大きくなっていた。
『では…どうぞ!』
最後の最後に下手くそなMCをかました、最悪な新聞部。
(やるなら最後までちゃんとやれよ-!!!悲怒)
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