第60話
現状はというと…あたしの必死な抵抗の成果あり。
未だコトには至っていない。
そりゃ毎晩のようにされてはいますよ!
あの甘くてとろける特上キッス。
その度に何度、赦してしまおうと思った事か…。
でもあたし、決めてるの。
本当に好かれて赦したい。
王子はあたしを求めてはくれるけど『好き』なんて一度も言ってくれたことはないんだ。
…じゃぁ聞いてみたらいい?
はい。聞きましたとも!
『…は?前言ったじゃん』
『なんて?!』
『千亜稀とならイケそうだって』
…ガクゥ…ッ
『は?何でガックリするわけ?』
はぁっとため息。
結局そんなもん?
それ以来(それ以前も)あたしは死守も死守。
でもそろそろ…やばいよね。
あたし、今朝みたいな夢、初めてじゃなかったりもする。
あたしの願望?
そう望んでるの?
うはーッと深いため息をついて少し小さいスーツケースを絨毯の上で転がせる。
今日から宿泊学習。
そろそろヤバめの王子と離れられていい機会かもしれない。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます