S♥3

まさかの宿泊スキャンダル

第59話

ギッ…




「…ン…」



ギシ…




「…ッッ…」




「…ッ…千亜稀…」




「…っッッ」




「…ナカ…入ってい…?」



…その瞳…ずるい


ここまで攻めといて…そんなこと聞かないで…ッ



あたし…こんなにもあなたが欲しいのに



やっぱり…イジワル…




「千亜稀…好きだよ…」




クチュ




「…アッ………克ホ…ク…ッッ」























『今日も一日始まったみたいよん。あなたナニやってるのよ。さっさと支度して今日も頑張ってきなさいよん』





ガバァ!!!




(なっなんて夢!!!!!!!!)




携帯から聞こえるおかま風の着声。



低い声で甘く囁いて、含みを持った内容で起こしてくれる。



クソ王子があたしの携帯を勝手に奪って勝手に落として勝手に設定していたアラーム。




『…はっ!メモリ女ばっか!』



勝手に電話帳まで見て、馬鹿にした。




『女の園で生きてたんだから仕方ないデショ-!』



むきになって言い返すと




『俺、携帯1つじゃ電話帳足りなかったよ』




と自慢げに言ってくる。




へぇー!どうせ、女の子にモテんだぞって言いたいだけでしょ!




携帯をクソ野郎の手から取ろうとピョイピョイ跳びはねる。



その度ピョイピョイ手を遠ざける。




(このS男…)




『じゃもう要らない』




ふんっと顔を逸らすと、何も言わない。




『…わかった』




あまりにも声が弱くてついつい振り返ってしまう。





カシャ--!




『…プッ!不細工』



フッとあの意地悪な顔。




(むっかぁ!むっきぃ!この男いつか絶対ぶっ飛ば~~ぁすッ!!!)





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