第58話

そんなこんなで始まった…



「ほら…あの子がVIP待遇で…」



「王子に見初められた…?!…」



「シンデレラガール?!?!」




あたしと王子の偽造恋愛。



まずの不安は今夜の王子。



王子が不敵の笑みを片手に、やらしい海に身を投げないことを祈るのみ。



その王子を拒否する力、今のあたしには持てなさそう。



あの温もりと


あのキスと


あの瞳に…


あたし、虜になってしまったのかもしれない。




(あぁ~~~あたし…あの部屋に…帰りたくないよぉ~~~!泣)





隣を歩く王子。


今日はいつもよりご機嫌みたい。


キャーキャー騒ぐお嬢様達にも、にこやか過ぎるくらいの笑顔を返してる。




教室に入るとクラスのみんなが笑顔で挨拶してくれる。



「千亜稀様、おはようございます」




…とうとうあたしも「様付け女」になってしまったようだ。




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