第56話
お嬢様達からは白い目、たまに崇拝するような目。
ボンボン達からはあだっぽいやらしい目、たまに哀れむような目。
(今度はあたし何したのーーーッ)
うはーんっと目を細める。
目の前の掲示板。
貼られた一枚の写真。
写っているのはあたしと王子。
写っているのはあたしと王子の接吻現場!
場所的に放課後のあの教室。
「昨日充様ともキスしてたって…」
「最低…」
「てことは誰でも受け入れ可?」
「へー可愛い顔してヤバいんだな」
ヒソヒソとそんな声が聞こえてくる。
(何なの!誰なの!あんな写真ッ)
ばっと写真を剥がす。
なぜかその観衆と向き合う。
(なんとでも言いなさいよっ)
でも誰も何も言わない。
閉じた目を開けるとその観衆はあたしを通り越したところを見ている。
振り返ろうとした瞬間、隣に身を寄せる彼。
にこやか王子。
「実は僕たち…」
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます