第49話

プリンに夢中になって、無意識に座っていた王子の隣。



ニヤニヤとあたしのプリンを狙っている。



…もとい。あたしの顔を狙っている。




「そうじゃないだろ。『あたしの体、見た事ないくせにそんな事言わないで!』だろ?」




ニコッと笑う。



王子の時より少し上がった眉。



強気な笑顔。


柔らかそうな茶色の髪が、そのバランスを上手く保たせている。




「そしたら俺が…」




プリンがあたしの顔の上を通過する。



スプーンだけがあたしの手の中に残る。








…ペチャ




プリンが床に着地した。



上にいる王子。



なぜかソファーに押し倒されたあたし。






…WHY?




.

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