第44話

迫力ある美形と、


可愛さ満点の美少年が


平凡な容姿のあたしを見る。




(くぅッ)



頬が染まるのが分かる。



(あたしのバカバカ!!頬なんて染めてんなぁ!!)




「お兄ちゃん、僕のお姉ちゃん顔が真っ赤だよ?」



「恋してる証拠だろ」



「こらぁ!!」



「ほらなっ」



「ほんとだw」



あたしの「こらぁ」は見事にスルーされ、二人で仲良く微笑み合っている。



「咲人、母さんが心配するぞ。もう帰れ」



ぽんと優しく頭を撫でる。



今朝、あたしにしたみたいに。



優しくて温かい瞳。



あたしくらいの背丈の咲人くんが王子を見上げてニコリと笑った。




今朝のあたし、周りからはこんな風に見られてたのかな?




王子の優しい視線を浴びて


王子の優しい手のひらを感じて



大切にされてるお姫様みたいに。

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