第43話

「お兄ちゃん!!!」



今度はその影に抱きついてゴロゴロと喉を鳴らしている。



「会いたかったぁ~~~」



その姿もその声も全てが可愛くて、スカートを履いていれば、かなりの「絵」になる。



制服を見る。



ズボンが違う。



(えッ!?)




「咲人、高等学校の方には入って来ちゃダメって言われてるだろ?」



「だってお兄ちゃん、寮に入っちゃって

僕、家で寂しいんだもんっ!!」



あたしがパクパクと口を開けていると、その影があたしを捉えて言う。




「今度はどんな問題間違えんの?」



フッと小バカにした笑い。




(偽王子!?!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る