第25話

「…何」



イライラと目を向ける彼。



「あ、ごめ…」



つい謝ってしまったあたし。




(や、やられた!)〈何にι〉





「待ってよ!納得いかない!彼カノ?!愛のない初彼なんて嫌ッ!!」



強引な彼の腕を引っ張り、感情に任せてそう叫ぶ。



意外と、力を入れて引っ張る事で彼の前に立つことができた。



ドアの方に彼を追いやる。



「ほら出た出た!」




「今のマジ?」




「は?」




またなぜか彼の腕置きになるあたしの両肩。




「俺が初めての男?」



怪しく笑う、顔は王子様。



ルックスも王子様。




黙っていれば王子様。




「な何言って…ンンッ」





パクッとあたしの唇を挟む。




「逃げるなんて出来ないって言ったっしょ?今日は機嫌がいいから別々に寝てあげる。おやすみマイハニー」




チュッと頬にくちづけしてパタンとドアが閉められた。





…あたし…もしかして





とんでもない男に目をつけられた…???






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