第20話

コンコンコンッ



『克穂~?!あなたここにいるの?!入るわよ??』




玄関?のドアの開く音が聞こえる。




(ちょっ!ちょっと!人が来ちゃうッッ)



(大丈夫。大丈夫。まだ来ねぇよ)



唇が首から耳元へ移ってきてあたしは声が漏れそうになる。



(…その顔ヤベェ…)




(…えっ?!)




バタンとドアが開かれる。




「克穂!あなた、お式に出ないでこんなところで何してるのです!」



少しわし鼻の綺麗な老女性。綺麗なクリーム色のストールを肩にかけて指には光る指輪。


長めの黒い上品なワンピースが、いくつであるのかあやふやにさせる。




「おばあさま…」



(おばあさん?!これが噂のヘンテコ企画を貫いたおばあさん?!)



あたしはあんぐりとその老女性を見上げた。





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