第17話
塞がれた口からチュッと妖しい吐息が漏れる。
あたしの唇を優しくなぞるように置かれる彼の唇。
しっとりと甘いくちづけ。
唇と唇が離れるとまたあたしを求めてやってくる。
彼があたしの唇を挟むように吸い上げる。
あたしは立っているのがやっとだった。
「…ッフェ…」
「俺から逃げようなんて百年早いよ」
しゃがみ込んだあたしを抱き上げてベッドへ降ろす。
「…イャ…やメ…ンンッ」
さっきよりも激しいキス
彼の柔らかなものがあたしの中に分け入ってクチュクチュと音を鳴らす。
同時に優しい手つきであたしの蕾を探し当てる。
「ン~~ッッ」
「うるさいよ…」
彼の濡れた瞳…
少し赤い頬にあたしは錯覚を起こしそうだった。
その瞳があまりにも優しくて、怖くて強引なこの状況を自分が望んでいたかのように思えてしまった。
数秒見つめ合って、またゆっくりと唇が重なる。
柔らかい彼の唇が、あたしを大切に包んでくれる。
(この気持ち、何…?)
「…お前阿呆じゃねぇの?」
パッと身を離す彼。
(え……)
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