3話
2人は生まれたときから一緒だった
一卵性双生児の姉妹で
親に愛されて育っていった
姉の方はこだわりが強く
特に妹のことになると
異常なほどの執着を見せた
妹は姉に比べると穏やかだったが
それでもどこか姉に執着があるようだった
2人が中学に上がる頃には
親も異常だと思うほどにお互いを愛し合い
面倒が見切れないと言うので
夫が死に子どものいない親戚である
私の家で2人の姉妹は暮らすことになった
私達の関係は割と良好で
2人のことを否定しなかったからか
しばらくすると2人とも心を開いてくれた
子どものいない私にとっては
かわいくてかわいくてしょうがなかった
たまに距離が近すぎると思うこともあったが
私から言えばきっと
だんだんと「普通」に生活できるようになる
そう思ったし疑わなかった
しかし 私の思いとは裏腹に
2人は私に怒りの感情を見せた
しまった と思った時にはもう遅く
2人は家を飛び出しっていった
追いかけてみると
観光客などがキャンプをするような
山の近くへ来た
2人を探そうとすると何処からか
火が上がり しばらくすると
あたりの木に炎が燃え移った
私は足を動かし必死に2人を探し回った
はやく見つけないと
2人の命が危ない!そう思ったのもつかの間
私を呼ぶ声が聞こえ振り向くと
2人が火の近くに立ち
こっちを見て何かを言った
私にはよく聞こえなかったが
2人が泣いているのだけが見えた
慌てて消防隊に連絡をし、
救急車を呼んだが意味はなかった
2人は燃える炎の中
手をつなぎあい死んだ
あまい夢には辿り着けない ふゆき3 @Fyuki_0123
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