2話 妹

姉は私のことを異常に愛していた

私はそれが普通だと思っていたけれど

そんなのは全然普通じゃない

「異常」な事なのだと

親に教えられた

それでも姉以上に愛されることは

私の人生のうちに一度もなかったから

私も姉のことを受け入れてしまった

そのうち私も異常な人間なのだと

親は認識し始め 私たちは

親戚の家に行くことになった

最初は私たちを離そうという

考えだったようだが

姉が私を離さなかったし

私も親と一緒にいる事よりも

姉と一緒に生きることを選んだ

迷いがなかったと言えば嘘にはなるが

私には一切の後悔もなかった


いつか破滅するということがわかっていても……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る