第4話 フルマキシマム
この世界には月はない様子だが、遠くにあるまぁまぁ明るいの恒星のせいで、地球よりも夜は明るくなっている。
今の気候は、日本の夏そのもののようで、慣れ親しめない蒸し暑さである。四季とかあるのかな。
夜は多分、昼よりも死にやすい。
今後の生存のためにも死亡リスクは限りなく減らしておきたい。
ここで、生き残る為の最低限必要なものを整理すると、
①水 言うまでもなく最重要である。
しかし、小川が近くを流れており、なんとかなりそう。
②食糧 これは本当に問題がミルフィーユだ。
この身体が人間の時と比べて燃費が悪いのか分からないが、この世界へ来て、体感4時間。
すでにちょっとなんか食べたい。
これは生き物として結構なことだが、いかんせん食べるものが見当たらない。
この問題は、そこかしこに生えている雑草を食べ物として認識できるときが来たら多分
解決する。
でも、口ない。
地球では目が退化した生き物、耳が退化した生き物が確かに存在した。環境に適応した結果である。
しかし、あの地球広しと言えども、口がないのはワドルディくらいだ。
つまり必要不可欠なのである。どんな生き物も口が消えるのを良しとはしなかったのだ。
僕もしてないが。
まぁ仕方ない。今のままでは、余命3週間程度の命だ。前を向かねば。
③『住』 やはり、家とは呼べないにしろ、安心して、寝ることができて、危険があったらすぐ帰ることができる場所があるのは精神衛生上必要だ。
まだこの地の動物には遭遇していないが、高いところに身を置くに越したことはない。
ツリーハウスでも作りたかったが、普通にできない。DIYをやるお父さん方も材料だけ置かれてもやれて、せいぜいドミノくらいだろ。
そういうわけで、木の上に登ろうと思った。
登れない。木登り上手な少年も手足がなくては、せいぜい葉っぱの数を数えるしかできないだろう。
『住』は一旦保留でいいや。精神衛生なんて糞食らえである。
④『衣』暑い。不要。
今日は問題点が出せただけで素晴らしい進捗じゃないか。
では地べたで寝るとしよう。
良い夢でも、悪い夢でも良いから目覚められますように。
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