第3章 EVER―悪女

     1


 県警本部に設置させた診察室。

 クリーム色の壁紙に薄緑色のカーテン。

 私のデスクとPC(電子カルテ)。

 私と向かい合わない形で置いたリクライニングチェア。

 所河時矢の母親が座っている。

 緊張はないようだ。

 それとも長時間の取り調べに擦り切れたか。

 まずは動機。

「あの子を殺したら、あの人が帰ってきてくれると思ったんです」

 表情変わらず。

 眼線斜め下。

「本当の理由があるんじゃないですか」

「どうしてそう思いますか?」

「あまりに陳腐な理由なので」

 動作に出ているとは言わない。

「一般的な話をしますと、旦那より息子の方がだいじじゃないですか?」

「そうでしょうか」

 眼線が下に落ちたまま。

「カメラはありますが、ここには私以外誰もいません。話し易くはないですか」

「カメラがあるんですね」

「アレです」

 指を差して教えた。

 ちょうど私の後方壁にある。

 腰掛けた対象者の表情が映るようになっている。

「睨んでみますか? 捜査員が走ってきます」

「じゃあやめておきます」

 ちょっとだけ母親の表情が緩んだ。

 これを狙っていつもカメラの位置を開示している。

 ダミーじゃなくて本当にそこにカメラがある。

 嘘を吐くこともできるが信頼を得るために敢えて。

「時矢君はどんな子でしたか」

「頭のいい子でした。私に似ず。算数、今年から数学ですね、得意で。家出してまさか塾の先生のところに行くなんて思ってなかったですけど、学校より居心地がよかったようなので。数学の先生もあの子を買ってくれていて。随分目を掛けてくれていたようなんですが、捕まったんですか?」

「未成年誘拐ですからね」

「こんなことを言うのはどうかと思われるかもしれませんが、あの子に居場所とご飯を与えてくれていたことは感謝します。悪意のある大人につかまれば、殺されていたかもしれないのに」

「迎えに行かなかったのは、それもあったんですか」

 自分に代わって保護してくれていると思っていたのか。

「私がそばにいないほうが、あの子にとっていいと思ったので」

「でもとあるお節介な警察官が連れ戻した」

「お知り合いですか? あの人悪気はないと思うんですが、ちょっと押し付けがましいですね」

「次に会うことがあれば伝えておきます」

 やはり胡子栗は余計なことをしたのか。

「戻ってきてからの時矢君はどんな様子でしたか」

 母親がチラリとカメラを見遣った。

「これはまだ警察の方にも言ってないんですが」

 母親がケータイを探すような素振りをした。

 ケータイはすでに回収されている。

「データは消したんですが、塾の先生とあの子が裸で抱き合っている写真が送られてきまして」

 未成年誘拐で捕まった塾講師が主張しているあの写真か。

 お節介な警察官――胡子栗も見たと言っていたが。

 データは塾講師のケータイから見つからなかった。

 共犯がいる。

 そいつも捕まえてくれ。

 俺だけなのはおかしい。

 そう叫び続けていると聞いたが。

「あの子と一緒に写っていたのは、あの子の数学の先生ではありません」











     2


 対策課の存続について。

「私に聞くのか」

 本部長に呼ばれた。正しくは、所河時矢の母親の診察帰りに本部長につかまった。

 本部長室。

 デスクとソファセット。簡素な室内。

「オズ君がちょっとヘマをしてしまって」

「あいつの不手際はお前がカバーしなくてどうする。あいつを守れるのはもうお前しかないんだ。そこを履き違えるな」

 長居する気はないので、私はソファの背にもたれかかった。

 本部長は居ても立っても居られないといった様子で私を見る。

「訂正する。あまり私情を挟まないほうがいいな。現場のことは私に任せてくれ」

「いつも助かっています」

 胡子栗一人のために本部長の椅子まで危うくする必要はない。

 対策課を守るというよりは、必要な部署であることを見せつければいい。そうすればおのずと周りも理解するだろう。

 まずは事件の整理だ。なんで警察官でもない私がここまで出張らなければいけないのか。

 仕方がない。

 所河時矢は母親に殺された。

 殺害方法は眠っている間にナイフで刺殺。

 抵抗した形跡はない。

 体内から睡眠導入剤が検出された。

 つまり薬でぐっすり眠らされている間に包丁で刺した。

 睡眠導入剤は母親が精神科に通院して処方されていたもの。

 子どもには少し効果が強い。

 母親はまだ何か隠している。

 取り調べ中の数学講師が言う共犯は、同じく塾の講師だという。

 国語の先生。

 名を、相久霧由。

 彼のところに警察が行っているはず。

 せめて写真が残っていれば。

 あ。

 あった。

 胡子栗が持っている。













     3


 相久霧由は、数学講師•楠取ナンドリ駆斗かりとに言われるがまま、しぶしぶ写真撮影に応じたに過ぎないと主張した。

 確かに写真は相久霧由の自撮りではなく、第三者によって撮影されたものと断定。

 所河時矢に性被害の痕跡がないことから、相久霧由は解放された。

 所河時矢の母親は、塾講師たちに感謝しているの一点張り。無理矢理誘拐されたものとは認めず。

 所河時矢が自宅に戻った段階で所河時矢に怪我等もなく、三食きちんと与え、彼のためにアパートの一室まで確保していたことから、彼を傷つけようとする意図は感じられず。

 胡子栗が迎えに来たときもすぐに返還に応じていたことから、楠取駆斗は無起訴で釈放。

 所河時矢の父親は、妻に離婚手続きを申し出て、妻はそれに応じた。

「これ、全部母親がかぶってませんか?」胡子栗が不満そうに言う。

 対策課事務所。

 10月。

 世の中は涼しくなってきたが、まだまだ日差しが暑い日もある。

 冷房が要らなくなってきたのは有難いが。

 胡子栗が窓を開ける。

「だって、塾講師のことも庇って、何にもしなかった旦那にも見捨てられて」

「あんまりだって? そんなもんさ」

 旦那がいたところで防げていたかどうかはわからないし、たらればの話だ。

「まだ吐かないんですか」胡子栗がお茶を用意しながら言う。

 母親はまだ送検されていない。

 黙秘というよりは、まだ話すべきときでないから言わないといった様子で。

「お前、話聞いてくるか」

「いいんですか」

「私の診察の同席というていならな」

 すぐ隣の本部の診察室。

 母親を呼んでもらった。

「ああ、あのときの」母親が軽く会釈した。「ありがとうございました」

 嫌味なのか本音なのか捉え兼ねたのか、胡子栗は返答し損ねた。

「どうぞ?」

 母親に座るように促した。

 胡子栗は母親の足の近くに丸椅子を持ってきて座った。

 私と胡子栗で母親を挟むような位置になった。

「あなたが来てくれたので話します」母親がを見ながら言う。「カメラの先の方も聞いてください」

 所河時矢が戻ってきた日、彼が母親に言った。

 塾の先生がセックスの練習をしてくれた。

 でも先生は男だったから本来挿入すべき穴じゃなかった。

 だから、母親に練習させろと言ってきた。

 母親は抵抗したが、中学生に上がったばかりとはいえ、男子の力に敵わなかった。

 夏休み。

 練習は幾度となく繰り返された。

 そして、所河時矢は学校に行くと言った。

 9月。

 その理由を聞いて、母親は息子を殺すことを決意した。

 自分に気のある女子がいる。

 その女子でも練習したいと。

 母親は自分の使っている薬を息子の食事に入れた。

 眠っている息子の胸に包丁を突き立てた。

「これがすべてです。どこへでも連れて行って下さい」母親がゆっくり立ち上がって頭を下げた。

 捜査員がやってきて、母親を診察室の外に出て行った。

 胡子栗が自分の持ってきた丸椅子を蹴った。

「壊すなよ」

「母親が止めてくれなかったら、次の被害者は赤火ちゃんだったかもしれない」

 胡子栗の里子、今年中学生に上がったばかりの女子は、所河時矢と同じクラス。

 しかも、想いを寄せていたらしい。

「なんで」胡子栗が頭を抱えて床に蹲った。「俺はまた」

 ここにはカメラがある。

 胡子栗を連れて対策課の事務所に戻った。

 胡子栗が自主的に何かを話すまで待っていた。

 15時。

 近くのコンビニでチョコでも買いに行こうかとしたとき。

「いるか」本部長が事務所に顔を見せた。「ちょっと出よう」

「どこ行くんすか」胡子栗が明らかに嫌そうな顔をした。

「行って来い。いいじゃないか。堂々とデートできて」

 本部長が照れたような顔になったが、すぐにいつもの凶悪モードに戻った。

 合い鍵を持っているので勝手に帰ってもいいが、待っててやってもいいかと思った。

 なぜ本部長が最高のタイミングで来たのか。

 私は呼んでいないし、胡子栗も呼んでいない。

 奴が、胡子栗のピンチにひどく敏感なだけだ。













     4


 17時。

 胡子栗は、終業時間ギリギリに戻ってきた。

 多少気分が紛れたような表情をしていた。

「大丈夫そうだな」

「ご心配をおかけしました」胡子栗が軽く頭を下げてデスクに着く。

「未然に止められて良かったじゃないか。まあ、母親の犠牲が大きかったが」

「それが許せないんですよ」

「お前が許さなくても、世間様からすれば、不登校の不良息子を、追い詰められた末に包丁で刺した最悪の母親てことで報道されるだろうな」

「そんなの、本筋が全然」

「包み隠さずすべてを報道すればいいってもんじゃない。それにすべてを報道してみろ。ニュースを見た赤火やそのクラスメイトがどう思う? 悪影響しかない」

「それはそうですけど」

 胡子栗の言いたいことはわかる。

 でもそうするしかない。

「対策課のことは? 大王から何か聞けたか」

 話題を変えよう。

「無理に役に立とうとしなくていいが、ヘマをされるのも困る、て。そんなのわかってますよ。でも何かしないと」

「基本的にお前らは先手が打てない。何か起こってからじゃないと動けない」

「何が言いたいんですか」

「対策課はそもそも何をしていた組織だ?」

「わかってますよ。焦点は、未成年の性犯罪被害者です」

「最終的に私のところでケアをするが、その初期捜査はお前がすることになってる。もっと自信を持て。何のために女装なんかしてるんだ」

胡子栗は何かを言いたげにしたが、胸に秘めることにしたようだった。

 17時15分。

 終業時間だ。

「ほら。さっさと帰って家族団欒をしろ」

 本部長が迎えに来ていた。

「妬けるじゃないか。同伴退勤なんて」

「冗談はやめてくださいよ」

 胡子栗茫には決定的に足りないものがある。

 幸せを享受するだけの心の余裕だ。

 胡子栗の育った環境を考えたらそれは一朝一夕では無理なのかもしれない。

 男でも女でもない身体に生まれて。

 警察官だった父親に別宅で性虐待を受け。

 それを宥めるように母親は多額のお小遣いを与えた。

 埋まらない心をなんとかしようとして夜の街で立ちんぼを始めた。

 そこで出会ったのが本部長(当時は若手の警察官)。

 大王は胡子栗に一目惚れし、20年待った末に結婚した。

 胡子栗を飼っていた飼い主の子どもを育てていたこともあったが、飼い主が連れ戻してそれきり。

 その空いた穴に4匹の子どもを宛がい、歪な家族ごっこを始めて3年。

 穴を埋めるために生きているわけではないが、穴が空いたまま生きるのもそれなりにつらい。

 胡子栗は基本的に依存体質なので、誰かにもたれかかっているうちはうまく行っていると錯覚できる。

 祝多出張サービス2代目店主をしていたご主人だったり。

 対策課の優秀な部下だったり。

 主治医の私だったり。

 配偶者の大王だったり。

 自分一人の足で立とうとすると、その地面が思いのほかぬかるんでいることに気づく。

 そういえば。

 新しい部下候補がいるとかいないとか言っていたようだが。

 明日聞いてみるか。











     5


 本部長にセフレのことがバレた。

「君はどうして」本部長が頭を抱える。「あ、いや、構わなかった私が悪いな」

「やりませんよ」

「どうして」

 赤火ちゃん、白光君、青水君はすでに寝ている。さっき確認したからそうだと思う。寝たふりじゃなければ。

 寝室。

 ベッドの上。

 23時。

「だって、夜遅いじゃないですか」

「夜遅くなかったらできないだろうに」

「溜まってるだけなら付き合いません」

「君を愛してるんだよ」

「こうゆうときだけ取って付けたように言われても」

「取って付けてないさ。いつも思ってる」

「言わないだけで?」

「言ったほうがいいのか」

「子どもの前ではやめてください」

「ほら、いましかなくなる。駄々をこねないでくれ」

「そうやって子ども扱いしないで下さい」

 駄目だ。全然身が乗らない。

「ちょっと風に当たってきます」

「やめてくれ。夜は危ない」本部長が機敏に立ち上がってドアを塞ぐ。

「じゃあ女装じゃなくて行きます」

「そうゆう問題じゃないんだ。それにどこへ行く気だ」

「言ったら止めるでしょう」

「わかった。その新しいセフレのところなんだろ? もう本当にやめてほしい」

「止めたほうがとんでもないことし出すの知ってるでしょう? 通してください」

 本部長は心の底から嫌そうにしていたが、最後はしぶしぶ折れてくれた。朝までには戻ると約束して行かせてくれた。こうゆうところが本部長らしい。俺にとことん甘い。

 相久霧由のマンション。

 先に連絡しておいたのですぐに開けてくれた。

「え、絶対こっちのほうがいいすよ。僕の好み」相久霧由は俺の本来の姿を見てテンションを上げた。

 シャワーは後回しにしてベッドへ。

 終わった後に、さて本題。

「時矢君に練習させたって本当?」

「ああ、母親が吐いたんすね」相久霧由が寝そべったまま言う。「ええ、必要でしょう?練習。恥かかないように」

「そのせいで母親が時矢君を殺すしかなくなったんだけど。それでもそう言える?」

「それはさすがに母親が想像力逞しすぎ。なんで練習しようとしただけで」

「あんなほぼ童貞の少年が練習なんて。ただの性暴力しかならない」

「そんなにやってみないとわかんないでしょう」

「そこらへんまで教えたの?」

「いや。そこは個々人のやり方ってのが」

「もう一度聞くけど、性の快楽を短絡的に得る方法だけ先に与えたってうまくいくわけない」

「それは胡子栗さんの持論でしょ」

「未成年の性に対する無謀さを甘く見るな。て、そこをしっかり教えなきゃなんないのが大人の務めじゃないの?」

「まともな警察官みたいなこと言いますね」

「警察官です」

 相久霧由がふう、と息を吐く。頬杖からうつ伏せになった。

「降参です。罰としてゴリゴリお願いします」

「もうやらないよ」

「え~、セフレとして定期的に来て下さいって」

「今日はもうやらないってこと。朝までに帰るようにパートナに釘刺されちゃった」

「パートナに許可取ってきてんなら大丈夫じゃないすか?」

 それがそうもいかない。

 やれると思ってベッドに誘ったのに俺が応じなかったからだいぶむしゃくしゃしているに違いない。

 そのむしゃくしゃを自分の中で収めてくれたら問題ないが、子どもたちに当たる可能性があるのが怖くて。

 俺は約束どおり朝までに帰るしかなくなる。

 相久霧由はまだ物足りないみたいな顔で見送ってくれた。

「俺って出頭?自首?したほうがいいんすか」

「そうだね。俺と一緒に来る?」

「最高の誘い文句すよ」

 3時。

 県警本部へ相久霧由を連れて行った。

 でも俺はここまで。あとはお任せして帰宅。

 4時。

 本部長はベッドでぐうぐう寝ていた。

 もう一回シャワーを浴びて匂いを消してから、本部長の横に寝そべった。

「おかえり」本部長が背を向けたまま言う。

「ただいまです」

「帰ってきてくれないかと思った」

「俺に関してだけネガティブになりますよね」

 本部長が寝返りを打って俺を見る。

「朝まで付き合ってくれるかな」

「仕方ないですね」

 朝ご飯までに終わらせないといけないけどなんとかなるだろう。














     6


 相久霧由は事情聴取だけで解放となった。罪は母親がすべて被ったのだろう。

 一週間後。

 朝10時。

 壁渡さんが対策課事務所に来た。

「お疲れ様」

 茶は出さない。長居はしない人だから。

「また間に合わなかった」

「先生が言ってましたけど、俺らの仕事って全部手遅れになってからじゃないですか」

「もっと早く止める方法があったよ。相久霧由がもっと早く吐いてくれてればね」

 相久霧由と個人的に接触のあった俺を責めているんじゃない。

 壁渡さんは自分を責めている。

「悔しいよ。なんでいつも弱い者が犠牲になるんだろう」

「壁渡さんみたいな人がいてくれてるだけで、俺は有難いと思いますけどね」

「慰めてくれてるの? ありがとう。ごめん、弱音吐いたね。切り替えるよ」壁渡さんは自分の頬を両側から叩いた。「ありがとう。戻るよ」

「いつでも来て下さい」

 本当にそう思っている。

 管区の子どもらには悪いけど、俺は羨ましく思っている。

 俺が子どもだったときに壁渡さんみたいな人がいてくれていたら。

 壁渡さんが帰ってから、入れ違いに本部長がやってきた。

「いまいいか」

「なんでしょう」

「もっと家に帰るようにするよ」

「それ、勤務中に言うべき内容ですか?」

 俺が家に帰らないから暇を持て余してセフレを探したと思っている。

 そうじゃないんだけど。

 面倒なので訂正しない。

「君の新しい部下のことだが」

「はい。ちょっと待ってくださいね」

 電話した。

 すぐに来るように。

 朝なら空いてるだろう。

「え、なんすか。ここ」相久霧由が怪訝そうな顔で言う。「取り調べの続きすか」

「紹介します。俺の新しい部下です」

「え」

「え?」

 本部長と相久霧由の返答がカブった。

「午前中は暇でしょう? バイトしませんか?俺のとこで」

「いやいやいやいや、そもそも何の話すか?」相久霧由が言う。

「オズ君、彼は」本部長が言う。

「心を入れ替えて俺に協力したいと申し出ておりまして」

「え?」相久霧由が何かを言いたげにした。

 無視。

「まずはバイトってことで使ってみて、よさそうなら本採用で。駄目なら」

「待ってくれ。どうしてそうなったんだ」本部長が珍しく取り乱している。

「俺が決めました。いいですよね?」

 本部長は俺に甘いから従うしかない。

「え、なんの仕事すか?」

「ようこそ」手を出して握手を求める。「対策課こと対策略的性犯罪非可逆青少年課へ」

 相久霧由が眉間にしわを寄せてハテナマークを浮かべる。「え?なんて??」













     7


 胡子栗が新しい部下を迎えたらしい。

 現在は試用期間なので8時半15時のパート。

 名を、相久霧由。

 今回の所河時矢殺害事件での重要参考人。

 塾講師はクビになったようだった。

 確かに決まったら真っ先に挨拶に来させろとは言ったが。

 なぜ胡子栗が彼を選んだのか。

 ただのセフレな気がしてならない。

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